ピエール瀧がコカインで捕まった件は予想以上に世間の話題を集めている。
『薬物』が良くないことは皆知識として持っている。
薬物が良くない理由は、習慣性と依存性があるためにやめられなくなるから。
過ぎたるは及ばざるがごとしが破滅を招くからだ。
過ぎたるは及ばざるがごとし、は薬物だけではない。
習慣性と依存性が両立する状況には快楽があり、クルマの両輪のように機能する。
厄介なのは、快楽は単体では悪いとは言えないからだ。
■苦行
— 白染 (@Ha_ku_zen) March 15, 2019
苦行に偏ると、自分で自分を苦しめる事に夢中になり、苦行に支配されてしまう。
■中道
何れの極端にも偏らない、何にも支配されない生き方・考え方が大切である。
■快楽
欲求に導かれるがままに快楽に耽ると、快楽に支配され、正しい洞察と認識を失ってしまう。 pic.twitter.com/Vtc6cD87Hl
苦行ですら習慣化すると快楽になる。
快楽に支配されるのは脳だ。
なぜ快楽は脳を支配できるのかと言うと多幸感が得られるから。
一般的には、人間の考えや行動は脳を経由して反映される。
しかし、その場合反映されるまで時間差が生じる。
以下は私の持論でエビデンスの元に言うわけではない。
人間の行動には、危機管理上素早く反応しなければいけない場合があるが、その際に脳を経由して考えて判断してると行動が遅くなりすぎる場合があるので、脳をショートカットして反応できるという機能を持っている、それが脊髄反射と言われる。
脳を経由して行われる行動の多くは、目から情報が入ってくる。
それに対し脊髄反射は、音や臭いや振動など目以外の感覚器官を通じて情報が入ってくる場合が多い。
スポーツ選手が反復練習で素早い反応を身に付けるのは、本来脳を経由して行われる行動を脊髄反射の域に高めた結果だ。
このような事例は、脊髄反射の好ましい事例だが、いつの頃からか脊髄反射で怒りを表す人が増えている。
子供や赤ちゃんの声がうるさいと反応したり、ささいなマナーに関して脊髄反射で怒りを示す人が増えている。
怒りをコントロールする方法としてアンガーマネージメントがあるが、このアンガーマネージメントでは怒りのピークは6秒と教えている。
この6秒こそが脊髄反射のためにショートカットされた脳で判断されるために必要な時間なのだ。
そして、恐ろしいことに怒りは快楽の一種なのだ。
シャーデンフロイデという用語があって。それは、他人を引きずり下ろす快楽物質がでることを説明してます。怒りやマウンティングをすることで、脳内に快楽物質がうまれ、やめられない…つまり、他人の幸せを良かったね!ってあっさり言えない人っとことかな^^; https://t.co/ClnQ0Yi7L2
— doramini (@dodorarasisi) March 11, 2019
快楽に支配された脳は、考えることをやめ、脳自体が脊髄反射をするようになる。
人間が脊髄反射をする場合は危機管理のためで、その際に快楽を伴うという特徴があるような気がする。
問題は、危機の中身が変化しているのだ。
原始的には、命の危機に対応するのが危機管理的脊髄反射だったが、現代ではストレス全般に対して脊髄反射をしているように見える。
ストレスを感じた脳は快楽を求め、そのために脊髄反射を繰り返すが、それは危機管理的な反応でもある。
ストレスへの対処はどうするのが良いのだろうか?
ヒントになりそうなツイートがあった。
「リプライ全部にお返事してるの、すごい手間とストレスだと思うけど大丈夫?」みたいな質問を受けることがあるんだけど、「リアクションは全部誠意をもってあたらないといけない」という固定観念を取っ払えばいい話で、脊髄反射的に軽い挨拶をやりとりしてるだけなので至って普通にすごい手間ですね
— 病理医ヤンデル (@Dr_yandel) February 3, 2016
ストレス自体がなくなるわけではないが、固定観念を取り払うことができれば快楽に依存しなくても済みそうだ。
ストレスの原因を自分の外にあると思いがちだが、実は自分自身が持ってる固定観念という内側の理由でストレスが生まれてるのかもしれない。