新元号『令和』が発表されて丸3日が経過。
世間の反応はと言うと、
共同通信社が1、2両日実施した全国緊急電話世論調査によると、
政府が「平成」に代わる新元号として公表した「令和」について73.7%が「好感が持てる」と回答した。「好感が持てない」は15.7%だった。普段の生活や仕事で主に使いたいのは新元号か西暦かを尋ねたところ、両方が45.1%で最多。西暦34.0%、新元号18.8%の順だった。
日本テレビと読売新聞の世論調査では
新しい元号「令和」に好感を持っているか尋ねたところ、「非常に持っている」が33%、「多少は持っている」が29%で、合わせて「好感を持っている」人が6割を超えた。「なじみにくい感じを持っている」は31%だった。
新しいものには馴染むまでに時間差があるものだが、発表と同時に、概ね高評価で受け入れられてるように感じられる。
わたしも一瞬で「令和は悪くないゾ!」と感じた。
わたしにとっては、響きが心地良かったからというのがその理由だが、次の話にも大きく共感できた。
昨日までは改元と言われても実感なく、元号なんてもう要らないんでは…と思ってた。なのに令和という新元号を聞いた瞬間のリセット感が半端ない。「これから新しい時代が始まるんだ!」という。昔からこうやって改元して時代の空気を革めてきたのですねえ。
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) April 1, 2019
他にも響きと字面で、「令を零」、「和は=」、と捉え、全てを一旦0に戻してリセットするというように感じてる人が多そうだ。
リセットしたいものは何なのかは人それぞれで、様々なものが当てはまるのだろうが、この『リセット』というワードは単純なようで奥が深いのだ。
本来のリセットというのは、制御が複雑な電子機器を初期状態に戻すことを意味する。
一般的には、コンピューターの維持管理や保守に用いるワードだと言って良いだろう。
つまり、比較的最近のワードなのだ。
一般人の日常生活にリセットというワードが入り込んだのは車や家電に電子制御が導入されて以降だろうが、この領域はプロ以外は手が出せないものだったので、知ってるといってもワードとしてだけというケースがほとんどだっただろう。
そんな『リセット』が世間に浸透する前の1970年に、大阪で日本万国博覧会が開かれた。
多くの人が大阪万博と呼んでいた。
この頃は、東京と大阪は規模やイメージで優劣の差がなかった。
芸術家の岡本太郎の「太陽の塔」が象徴だった。
テーマは「人類の進歩と調和」(Progress and Harmony for Mankind)。
それから約半世紀が過ぎ、新元号の発表とともに多くの人々がリセットを求め始めている。
新元号発表時に日本政府は、その正式な英訳を発表しなかったために少々の誤解を与えていたが、遅ればせながら正式な発表が行われた。
【令は「美しい」の意 外務省、新元号の対外説明を統一】
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) April 3, 2019
外務省は新元号「令和」を英語で表現する際、「beautiful harmony」に統一することを決め、「令」は「美しい」、「和」は「調和」を表すと説明するよう在外公館に指示しました。
記事はこちら⇒https://t.co/DEYnVlwWUm pic.twitter.com/vBS0yrK8WA
50年前に掲げられたテーマは進歩(Progress)ばかりが独り歩きし、調和(Harmony)が欠けていたのかもしれない。
新元号『令和』でリセットさせたいのは、欠けていた『Beautiful Harmony』だと多くの人が瞬時に気付いたのだ。
この元号が嫌いな人は、そこに込められた政治的な意図を読むからだろうが、おそらくそんなこととは無関係にこの元号は独り歩きするだろう。
わたしの好きなロシアのことわざを引用して終わりにする。
起こることは避けられないこと。
Чемубыть, тогонеминовать.起こるべきことは起こる。必然的にそうなるようなことは、どうやっても回避不可能。