違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

狭き門、広き門!

世間では闇営業の話題がまだ盛り上がっていて、ワイドショーでも未だにかなりの時間を割いているし、ニュースやコラムやブログネタとしてもたくさん出ている。

 

今日は闇営業の是非を問うのではなく、闇営業が生まれる背景の一つとして上がることが多い「正規の仕事だけだと生活が成り立たない」に焦点を当ててみたい。

 

お笑い芸人に限らず芸能人は、お客から選ばれなければ儲かることはない。

 

一般的なサービス業もお客から選ばれることが大事だが、芸能の世界の選ばれるとは熱烈に指名を受けるという選ばれ方だ。

 

だから、お笑いを含めて芸能の世界の入り口にはオーディションが常にある。

 

それなりの競争率であるオーディションをくぐり抜けても、その先にいくつもハードルがあるのが実情だ。

 

 

 

 

 

常に競争に晒され、それをくぐり抜けた先に明るい未来があるというのは分かりやすい話で、諺の『狭き門より入れ』を思い出させる。

 

『狭き門より入れ』の狭き門とは、キリスト教では天国に行くことが難しいという教えが由来らしい。

 

闇営業に話を戻すと、最近発覚してるのは吉本興業の芸人ばかりだが、吉本興業の場合入り口はオーディションではなく吉本総合芸能学院(通称NSC)と呼ばれる養成所にお金を払って入学することから始まるが、ウィキペディアによると入学資格は中学卒業以上ということで、入り口には競争が存在してないと言って良さそう。

 

NSCを卒業した大半が、「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」に所属するタレントとなり、現在ではその総数が約6000人と言われている。

 

しかし、この数に見合ったマネージャー数は確保されてないので、芸人は自ずとマネージャー業を兼務せざるを得なくなるだろうから闇営業に近づきやすいのも当然といえば当然だろう。

 

吉本興業では、

 

『芸歴10年以上くらいのキャリアがあって、業界内部の仕組みを理解し、さらに、社会人としての一般常識がありそうな芸人に対し面談を行い、“マネジャー兼任に興味はあるか?”と意思確認をしているとか』

https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_201807_post_168294/

  

、という話もあるらしい。

 

 

これらのことを総合すると、吉本興業ではタレントになるよりもマネージャーになることの方が競争に晒されて厳しいことがうかがえる。

 

闇営業について考えていると、入り口である吉本興業の広き門が影響してる気がする。

 

比較すると他の事務所では、程度の違いはあれども入り口が狭き門なのだ。

 

ただ一概に狭き門が良いわけでもない、日本の大学は入学は大変だけど卒業は楽だから大学生は勉強しないと言われるのに対し、アメリカの大学は入るのは簡単だが卒業するのは大変だから大学生は一生懸命勉強すると言われる。

 

 

狭き門であろうと、広き門であろうと、大事なことはチャンスを掴むことであり、悪運を掴まないことだ。

 

チャンスを掴むこと自体が狭き門である事を考えると、狭き門に慣れておくことが重要だと思えてくる。

 

チャンスは掴まなければいけないのに対し、悪運は招いてないのに忍び寄ってくるので、悪運をシャットアウトするためには門は狭くした方が良いようにも思える。

 

ところで、現代はオープンな時代だと言われているし私もそう思っているが、そのことと狭き門を肯定することは矛盾しないだろうかと気になってくるが、オープンというのは隠し事をしないというニュアンスで使われるので矛盾はしない。

 

狭き門をくぐり抜けた先にある競争は、競争相手の顔が見えやすいが、広き門をくぐった先での競争は、競争相手が分かりにくいし、何と競争してるかさえ分からなくなるかもしれない。

 

ハードルは高くても、競争相手が見える方が競争はしやすい事を考えると、狭き門を選ぶことが賢いかもしれない。