働き方改革のせいなのか、コスト削減の一環なのか、残業が嫌われ、「ノー残業デー」が奨励され形式上はそれなりに残業が減ってることになっている。
もっとも残業を形式上減らしているのは上場企業や優良のホワイト企業だけで、ブラック企業には縁のない話だ。
残業をさせないということに強制力を持たせるための施策も多数展開されたが、最も強力な残業代を出さないという施策が実行されても残業する人は後を絶たないのが日本の特徴だと言われ続けてきた。
人件費を減らしたい経営者にとって残業代は払いたくない経費なので残業させなことのモチベーションは高い。
働く社員にとってもワークライフバランスを考えると残業が無くなるのは嬉しいはずだが、そこはそう単純ではない。
その理由を説明してるのが2016年の次の記事。
残業が減らないのは家に帰りたくないから 昭和から続く「悪しき伝統」の真実
詳しくは記事を読んで頂くとして、様々な理由で家に帰りたくない人が多いのだ。
残業が無くても早く家に帰りたくない人々のことをいつの頃からかフラリーマンと呼ぶようになった。
意外と歴史のある言葉で、目白大学名誉教授で社会心理学者の渋谷昌三さんが、2007年に著書の中で、家庭を顧みず居場所を失い、ふらふらするサラリーマンの姿から名付けたと言われている。
そんなフラリーマンは会社に居場所が無くなると街に居場所を求めることになり、その受け皿になるのが残業難民ビジネスと呼ばれた。
残業難民ビジネスの代表格は居酒屋、ファミリーレストラン、パチンコ店、サウナだと言われる。
しかし、これらの残業難民ビジネスも現在は決して景気が良いわけではない。
フラリーマン早帰り 日高屋、吉呑みの悲哀 2019/7/4 日本経済新聞
働き方改革で激増しているはずの「フラリーマン」はどこへ行ったのか。フラリーマンとは仕事後に寄り道をして時間をつぶす会社員を指す。立ち飲み、ちょい飲み、コンビニエンスストアなどがその憩いの場になると思われていた。
SMBCコンシューマーファイナンスの30~40代の男性に帰宅前消費についての調査によると、
「寄り道して帰る」と回答したのが54%に上った。
そして寄り道先としてはコンビニが60%近くと圧倒的だった。
この調査によると寄り道で支出する金額は月平均1万1000円。
これが最近のフラリーマンの実情(状)だとすると、残業難民ビジネスが振るわないのも納得できる。
しかし、家事や育児のワンオペに苦労してる主婦の不満としては夫のフラリーマン化を上げる人も多いのだ。
フラリーマン化は働く男性だけでなく女性にも起きてる現象で、家庭の居心地の悪さが関係してるが、特に男性の場合は抑圧さえた不満が鬱積し幼児化が起きると言われ俗に言う中二病を発症することが多いらしい、心当たりのある人もいるだろう。
ちなみにWikipediaで中二病の症状として以下が上がっている。
-
- 洋楽を聴き始める。
- 旨くもないコーヒーを飲み始める。
- 売れたバンドを「売れる前から知っている」とムキになる。
- やればできると思っている。
- 母親に対して激昂して「プライバシーを尊重してくれ」などと言い出す。
- 社会の勉強をある程度して、歴史に詳しくなると「アメリカって汚いよな」と急に言い出す。
果たしてフラリーマンは減ってるのか増えてるのか?
最近のフラリーマンは、ジムで筋トレしたり帰宅ルートでウオーキングやランニングなど経費を抑えた一石二鳥の時間潰しにシフトしてるかもしれない?