ノーベル賞の発表の後は、プロ野球ドラフト会議が注目を浴びる。
今年は10月26日(木)17:00開始予定だ。
一般にプロ野球のドラフト会議で知られる”ドラフト”とはどういう意味だろうか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ドラフト
draft
- 徴兵の事。
- 選抜という意味。プロスポーツで所属チームを決めるドラフト制度のドラフトはこの意味。プロスポーツにおける選手獲得の交渉権を決める方法の一つ。ドラフト会議を参照。
- トレーディングカードゲームの遊び方の一つ。ブース ター・ドラフトを参照。
- 生ビール (draft beer) のこと。
- 蒸気機関車のシリンダーによる駆動音。
- 下書きのこと。
- 通風のこと。また、ドラフトチャンバーの略。
- 草案のこと。未完成の企画や規則。
- 喫水のこと。
- 設計図
こうしてドラフトと言う言葉の意味を見ると、潜在状態のものが顕在化する手前の”最後の一線”のように感じる。
ドラフト会議で指名されることは、バラ色の人生の始まりを意味するようで、一方あれが地獄の入り口だったと思えることもあるだろう、そこには悲喜交交の人生ドラマが存在する。
プロ野球期待外れランキング!歴代のドラフト1位で活躍できなかった選手は? 2017年7月23日
入団から即戦力となり大活躍する選手がいれば、ケガで育成になり再び支配下選手となって輝く選手もいます。
また一度も一軍の試合に出場することなく去ってゆく選手も多いですね。
その一人一人に違ったドラマが存在し、それこそがプロ野球の魅力でもあるといえます。
多くの人にとってのプロ野球は、単なるスポーツとしての存在であってそれがビジネスであるとは感じてないだろう。
スポーツだから相手チームと戦っているのは誰の目にも明らかだ。
贔屓チームがあればチーム内の情報に敏感になり気付くだろうが、レギュラー枠を巡ってチーム内での争いもある。
スポーツをやる人だったら分かるだろうが、ここで挙げた争いや戦いの相手は、志を同じくする仲間でもある。
観客という立場で見てると、選手に感情移入するが、他に登場人物として監督やコーチが出て来る。
チームが勝ったり負けたりの成績は、選手のプレーの結果だが、その責任は采配の結果として監督やコーチに負わされる。
勝ってる限りは表面化しないが、選手と監督コーチは、利害関係で対立関係に位置してるのだ。
観客やファンの立場で接してると見えてくるのはこの辺までだ、つまり通常はベンチの中しか見えてない。
そんなプロ野球に、別の顔が見えてくるのがドラフト会議と契約更改だ。
ここでは、ベンチが現場であるのに対し、フロントと呼ばれる経営管理部門の存在が見えてくる。
下司な言い方をすると、我々が普段目にしてるのは、金をもらってる人々の、もっと金をくれという戦いなのだ。
それに対しドラフト会議と契約更改では、金を出す人の影がちらつくところがおもしろい。
プロ野球の球団は同じように見えて、少々違いがあって、その少々の違いが巡り巡って、大きな違いになってる気がする。
球場収入には3つのタイプに分けられます。
- 球場を保有している
阪神タイガース
オリックス・バファローズ
西武ライオンズ
ソフトバンク・ホークス(正式には2015年7月から)
- 球場を保有せず、営業権も持たない
読売ジャイアンツ
ヤクルトスワローズ
中日ドラゴンズ
日本ハムファイターズ
DeNAベイスターズ
- 球場は保有していないが営業権を持つ
広島東洋カープ
東北楽天ゴールデンイーグルス
千葉ロッテマリーンズ
プロ野球の決算には少々グレーな部分があることがこのサイトで指摘されている。
実は球団の欠損金(≒赤字)を補てんするために親会社が支出した金銭は広告宣伝費とすることが出来、球団は親会社から埋め合わせに受け取ったお金を売上に計上することが出来るのです。
そのため、球団運営による収支が球団の決算書を見ても一部を垣間見ることしかできないのです。
しかし、唯一の例外は親会社を持たない球団、株式会社広島東洋カープです。
広島東洋カープの親会社は、自動車メーカーの「MAZDA(マツダ)」だと思ってる人が多いだろうし、私も思ってたがどうやら違うようだ。
カープの資本構成を解説すると、最大株主が自動車メーカーのマツダで3分の1超を持ち、さらにマツダの創業家一族が残りの株式の大半を保有しています。
これでは市民球団というイメージとは異なるものと言え、実質的にマツダが親会社と言えるのでは?と思いますが、マツダはカープ球団を子会社にしていません。
有価証券報告書を見ると、カープ球団の位置づけは『持分法を適用していない非連結子会社及び関連会社』となっています。
この分析が書かれたのは2015年5月でカープは低迷中だったが、翌2016年と2017年はセ・リーグで優勝している、この分析の締めくくりにはこんな言葉がある、素晴らしい分析だ。
カープの低迷の原因は赤字を恐れるあまり、費用、つまり選手への投資を抑制していたと考えられますが、2009年の新球場オープンによって収入のベースアップがなされ、明らかに球団の収入は増加しました。今後、さらに球団収入が増加することで年俸総額最下位の地位を返上する日も近いと思います。さらに、それで今年は優勝を狙おうとするのですから、球団経営は面白いものです。
プロ野球の収入と支出の内訳(費目)
<収入> <支出>
入場料 選手年俸
放映権 球場使用料
球場内飲食 移動費宿泊費
グッズ販売 球団人件費
広告収入 飲食原価、グッズ原価
その他 その他
最近では、収入としての放映権料は大きく期待できないだろうから、全てのエネルギーは観客動員を増やすことにあるだろう。
観客動員が増えれば、入場料収入だけでなく、球場内飲食も増え、グッズも売れるだろうから。
そう考えると、現場は優秀な大成する選手が欲しいだろうが、フロントは観客を呼べる選手が欲しくてしょうがないし、この両者の思惑が一致する選手がもっとも望ましいだろう。
だから、今年の目玉は早稲田実業の清宮で、現場もフロントも高評価の逸材に見える。
ドラフト候補のスカウト評価簿 清宮幸太郎(早稲田実業・1塁手)
そんな清宮を広島東洋カープは、指名回避。
この日スタートした清宮との面談に、広島は加わらなかった。球団幹部は「行かないということはそういうこと。打撃は素晴らしいものがあるが、うちのスタイルには合わない」と説明。
また新しいおもしろい人間ドラマが始まりだした。