違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

策士策に溺れて自滅の道を歩む!?

童話・寓話でお馴染みのイソップ(古代ギリシア語の読みではアイソーポス)は、妬みから殺された自滅の人と位置付けられている。

 

一般に伝えられる話では、元はサモスの市民イアドモンの奴隷だったが、語りに長けており、解放されたという。その後は寓話の語り手として各地を巡ることになる。しかし、それを妬まれデルポイの市民に殺されたとされる。

 

彼にまつわる有名な逸話に、主人の旅行の荷物持ちをした時のエピソードがある。かさばる為に他の奴隷達が持つのを嫌がった食料を進んで持ち、旅の終わりには他の奴隷達が疲れ果てながら荷物を運ぶ傍らで、中身が減って軽くなった袋を口笛を吹きながら運んでいたと言われる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/アイソーポス

 

 

 

イソップが殺されたのは自滅だという扱いを受けることが多い。

 

イソップは、語りに長けていたことが自滅につながったと言われるが、大事なことは、語りに長けているから自滅したわけではない。

 

語りに長けていることと、殺されることの間には、自惚れという自滅があったとされる。

 

現代風に言えば、

 

策士策に溺れる

 

と、言ったとこだろうか。

 

 

ここから先は、当たらずとも遠からずだろうと想像できる話。

 

 

2020年の年明けに安倍総理は『憲法改正を必ずやわたしの手で成し遂げたい』と言った、この発言は決まり文句みたいなもので今年に限ったものではない。

 

もともとは総理大臣は連続2期6年が任期とされていたが、現在は3選目。

 

2020年を迎えた時に安倍総理は4選の実現に自信があったはずだ。

 

3選の立役者とされる二階俊博幹事長をはじめとする与党内の勢力に揺るぎなかったし、批判されることは多くても対抗勢力が現れない状態だったから。

 

しかも、二階俊博幹事長も

 

「『4選どうぞ』と言うのは当たり前だ。国民の人気もあるわけだから、ご本人が決断すれば党は全面的に支持したい」

 

と語り、4選を公然と支持してるとされた。

 

 

日本国内には4選を妨げる要素は無く、憲法改正のハードルも少しずつ下がってるかに見えていていた年明けだったが、ヒタヒタと迫っていたのがコロナウイルス。

 

ダイヤモンドプリンセスが横浜にやって来たのが2月3日。

 

それから1ヶ月で事態が大きく変化した。

 

まるで、自滅に向かうかのように。

 

もしかしたら自惚れかもしれないのが、突然の一斉休校要請。

 

そしてその後に行われた記者会見を報じる新聞の見出しが以下だ。

 

 

臨時休校要請、首相「独断」に腹心の影 菅氏ら置き去り 朝日新聞

 

首相独断、官邸に亀裂 一斉休校要請 菅氏らに不信?決定から除外 西日本新聞

 

新型肺炎 一斉休校、首相独断 文科相直言、振り切る 毎日新聞

 

首相の一斉休校要請 独断専行 側近押し切る 焦燥感、異例の週末会見  福井新聞

 

 

全国紙、地方紙ともに安倍総理の独断を前面に押し出している。

 

 

 

松下幸之助は、『優秀な人は怖いですよ、優秀な人は独断専行しますからな』と言った。

 

いろんな人を見たからこそのことばだろう。

 

 

2月27日に唐突に要請された一斉休校から2日後の29日に記者会見が行われたが、その会見の評価は見出しに現れていた。

 

安倍首相「逃れるつもりない」言及も質問応じず帰宅

 

「まだ質問があります」 無視、首相会見打ち切り帰宅 新型コロナ対策、説明不足のまま

 

 

総理大臣がどこで誰と会っているかを伝えるのが首相動静で主要新聞に掲載されるが、最近は首相動静をチェックする方が増えているらしい。

 

 

自惚れが強い策士が、策に溺れて自滅に向かっているように見えるが、そのキッカケがコロナウイルスだと思うと、世の中は単純に『正義が勝つ』とは行かないなと教えられる気がする。