違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

『宵越しの金』どうしますか?

金は天下の回りものということわざがある。

 

貧富は固定しないという意味で使われ、英語でも同じ意味のものがある。

 

Money is a great traveller in the world.(金は世界の旅人である)

 

Money changes the hands.(金は手を変える)

 

 

江戸っ子気質を象徴することばに、宵越しの金は持たないというものがあるが、金は天下の回りものだと思えることが前提になってるんだろうなと思える。

 

 

その日に稼いだお金はその日で使い切るという意味だが、金は天下の回りものという考えが共有され、かつ江戸時代当時は日銭で仕事や商売が動いていたからなんだろうなと想像してしまう。

 

 

わたしは2008年のリーマン・ショックではまったくダメージを受けなかったが、90年代前半のバブル崩壊では勤めていた会社の倒産を経験し大きなダメージを受けた。

 

もともと無駄遣いが好きではなかったので、欲しいものは買っていて宵越しの金は持たない派のつもりだったが、それでもそれなりに貯金ができていた(今思うとすごく少額なのだが)ので倒産した瞬間には、経験が増えたくらいにしか思ってなかったし、バブル崩壊の煽りだと言えば世間の同情もあるし、失業保険もあるししばらく遊ぶかと思っていたが、いざその生活を始めて改めて気付いたのは、出て行くお金は容赦なく特に、一回あたりは大したことないのに交通費ってこんなに負担感が大きいんだという事を改めて実感し、会社が負担していた交通費の重さも思い知らされた事を思い出す。

 

その際の教訓として、金は天下の回りものだとしても、自分に回ってくるまでの時間差が耐えがたい苦痛を伴う、というものを得た。

 

誰でも想像すれば簡単に分かっても不思議じゃない事を、わたしは自分が体験するまで気付かなかった。

 

この体験談を知人に話してもあまり盛り上がらなかったのは、自分には関係ない大した事ない話題だと受け取られたからだろう。

 

 

ちょっと長いがここまでは前置き。

 

 

現下のコロナ禍での自粛で、ほぼすべてに近い大勢の方々が、自分にお金が回ってくるまでの時間差に恐怖してるかもしれない。

 

金は天下の回りものだとしても、それだけでは安心できないことを意識したら、宵越しの金は持たないという文化は、石田純一の『不倫は文化』と同じレベルになるはずだ。

 

宵越しの金は持たない、と聞いて、何をイメージするだろうか?

 

貯金せずに、遊んで、飲み食いしてる姿をイメージするだけでは100点満点の30点だ。

 

21世紀に入ってからは、多くの人が浮いたお金を自分に投資してるのだ。

 

次のツイートは、企業活動における経営者のことを言ってるが、根底にある考え方には、モチベーションが高い人全てに通じてるはずだ。

 

 

 

 

このツイートは、リプを見ればわかるが『一番』と表現してることに不快感を示してる人が多いが、それはこのツイートの内容が琴線に触れたからこそだろう。

 

 

トレードオフ的な目線でみると、ここまでの現代社会は、宵越しの金を手放す(手放させる)事で未来を手に入れてきたのだ。

 

そうやって実現されたIT環境が、自粛に耐えられる生活をさまざまな点で支えているのだが、そのことが個人レベルの生活における明るい未来を奪い始めている。

 

 

間違いなくパラダイムの転換は起きるだろう。

 

と同時に、これまでの価値観に従来以上に固執する動きも目立つはずだ。

 

部分を見てると、両極端化が顕著になるだろう。

 

 

ただ、パラダイムの転換が起きる分野は未知で、如何わしさも満載なはずだ。

 

 

スティーブ・ジョブズが言った『点と点は後からつながる』の、一方の点はこれから出てくるものになる。

 

ジョブズは、点と点をつなげようとしてもうまくはいかないとも言っている。

 

 

従来のビジネスは、多くの人や企業の宵越しの金を奪うことで成長したが、そうではない動きが出るはずだ。

 

これまでは成長は数字で計測されていたが、これからは数値化できない成長も顕在化するのかもしれない。

 

 

コロナ前に戻りたいと思ってる人は、これから出てくるであろうには気付かないかもしれない。