コロナがキッカケで変化するものがたくさんありそうだが、そのような変化の中にはたまたまタイミングが重なっただけで、本当はコロナとは関係ないものもあるはず。
こんな記事があった。
個別に取り上げられてる事例には触れないので、興味がある方は是非記事を読んで頂きたい。
この記事で取り上げられてる個別具体的な事例を抽象化すると大きく二つのことが言えそうだ。
- これまで効率的だとされた分業や委託という形で社外に任されていたことの、内製化へのシフト
- 独創的なオリジナリティが重要だとされてきたが、是々非々で良いものは良いと他社のアイデアをパクることを厭わない
ざっくりと言うと、このような変化が意図されていると感じられた。
これは、コストを意識した効率化の追求では、今後のテクノロジーの進化は使い勝手まで考慮に入れるともはや内製化しかないとアップルが判断したと、わたしには感じられた。
これに関しては、製造面で脱中国の意図も絡んでいるのではと勘ぐっている。
他社のアイデアをパクるというのは、もはや純粋なオリジナリティは実際にはもうすでに行き詰まっていて、既に存在するものを洗練させることにエネルギーを注ぐべきだという判断だとも思えるが、これはユーザー体験としての使い勝手を意識してるからだろう。
これに関しては、かつて松下電器(現パナソニック)がマネシタ電器と呼ばれていたことを思い出す。
他社が開発した商品が市場で評価を受け始めたら、より洗練された同種の商品を開発するという後出しジャンケンスタイル。
この仕組みを実行した松下幸之助は経営の神様と呼ばれていたが、一周回って再度時代の追い風が吹き始めたのかもしれない。
しかし、だからと言ってパナソニックに追い風が吹くわけではないのは、そもそもベースになるオリジナリティがまるでないのだからだ。
昨日、日本のスパコン『富岳』が性能世界一と評された。
スーパーコンピュータ「富岳」TOP500、HPCG、HPL-AI、Graph500において世界第1位を獲得 理化学研究所 6月23日
富岳は性能1位を目指したのではなく使い勝手の良さを目指していたら性能も上がっていたらしいのだ。
スパコンの使い勝手が具体的に何なのかはわたし如きには不明だが、ここでも使い勝手はキーワードになってることが分かる。
スパコン「富岳」、速さより使い勝手 富士通が出荷開始 日本経済新聞 2019/12/2
ちなみにコロナ関連でテレビで流れていた咳の飛沫が拡散する様子の映像は富岳が作ったものらしい。
スパコン富嶽、医療・ものづくりなど目的あわせデータの処理方法・通信速度を最適化するとの事。
— するめのよっちゃん🦑 消費税は5%に減税 沖縄は日本だ (@surume_gesogeso) 2020年6月23日
しかし、このコロナの患者の咳、飛沫の広がり方を予測できるって凄いね。マスクをして咳をしたら正面はダメだけど、斜めや横の人には飛沫がかからないんだって。
富嶽、医療分野でも活躍! pic.twitter.com/DBUKHMP2c7
使い勝手が良い、というのは言語明瞭だが意味不明でもある。
使ったら、便利で役に立つというのは最低条件だ。
一般人にとって使い勝手が良いとは、最低条件を満たした上で、楽しいや気持ちいいが得られることだと思える。
得られる結果だけでなく、その途中のプロセスも含めて評価の対象になるからこその使い勝手だ。
結果だけを追い求め続けてきた現代人だが、コロナの発生と相前後して結果以外の大切さに気付き始めたのかもしれない。