全日空 国際線 夏ダイヤ公表 16路線運休など 座席数を約50%減 2021年1月26日
こういうニュースを聞いても、そりゃあそうだろうとしか思わなくなったが、コロナ前の世界は、ビジネスも遊びもグローバル化を前提として発展していた。
グローバル化を支えていたのは飛行機で、そんな飛行機の運用を支えていたのがハブ空港という存在で、日本がグローバル化の流れの中で存在感が薄くなった理由の一つに国内に世界的なハブ空港がないからと言われ続けていた。
飛行機や空港が担っていた役割はどうなってるのだろうかと想像を巡らせてみた。
ハブ空港が機能する背景にある価値観は、人やものが、その場所に行くことの価値であり、人やものが直接向かい合うことの価値だ。
仮想〇〇よりも実際や直接の方が上位に位置してたからだ。
しかし、コロナの流行は、実際や直接の需要を激減させてしまい、仮想の出番を増やしてしまった。
仮想が浮ついた流行のレベルを越えて必要な存在に昇格したのだ。
象徴的な存在として取り上げられることが増えたのが、Web会議サービスのZOOMや配達としてのUberEats。
これらをITという括りで見てると気付きにくいが、ハブの役目がアプリになってるのではと見ると、時代の激変ぶりが感じられる。
コロナ禍で、そんなつもりがなく実際や直接と仮想が交錯し始め、代替の気配も漂わせているのだ。
最近槍玉に挙げられることが多い会食は実際や直接の代表格で、飲食店がとばっちりを受けているが、ZOOMやUberEatsを利用すると仮想会食が成立するし、すでにZOOM飲み会ということばも認知されている。
ナイジェリアやシンガポールでは、ZOOMで裁判が行われ、その裁判で死刑判決まで出ているのだ。
昭和の営業マンは、熱意を身振り手振りを交えて、時には土下座をしながら表現していたが、平成に入ると図やグラフを活用したプレゼンテーションの上手い下手が問われるようになってきた。
しかし、一定のレベルをクリアしたそこから先では情に訴えることは無駄ではなかった。
それは、実際や直接が力を持っていたということでもある。
しかし、ZOOMなどアプリ上で決済や決裁が下されるようになると、情に訴えるという戦略や戦術はもう通用しなくなるだろう。
心に沁みるように感じられた振る舞いは、単なる茶番にしか感じられずに、時には怒りすら買うかもしれない。
アプリのハブ化が一過性ではなく本当に定着すると、価値観の180度転換は本当に現実のものになるだろう。
自家用ジェットで世界を飛び回ることはカッコ良いことに思えていたが、価値観の転換後は頭が悪いんじゃないかと思われるだけかもしれない。
そういえば、大きなビルや建物もハブとして機能してるなと思い当たると、最近電通が本社ビルを売却する話が出ていたなと思い出した。
資金繰り上必要なのかなと思っていたが、本社ビルなんて必要ないという判断だとしたら、さすが電通だなと思えないこともない。
【日本通運 本社ビルの売却検討】https://t.co/gb5Uu5OdCh
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2021年1月26日
物流大手の日本通運(東京・汐留)が、本社ビルの売却を検討していることが分かった。東京都心では、電通グループも本社ビルを売却する方針が明らかになるなど大手企業が自社ビルを手放す動きが相次ぐ。
なんだか、アプリのハブ化で、従来の実際や直接のハブが十分に機能しなくなることに対する懸念は無視できなくなってるのかもしれない。
この辺の動きは今後も注視が必要だろう。