違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

大坂なおみさんに感じる、空気と強者

人は見たい情報(≒興味ある情報)だけを見て、見たくない情報(≒興味ない情報)は見ない。

 

『馬を水飲み場に連れて行くことはできるが、水を飲むかは馬次第』によく似ている。

 

であれば、発信されてる情報にも同じ理屈が当てはまるはず。

 

つまり、発信者は興味や関心があるから発信するのであって真実だから発信してるわけではない。

 

興味や関心というよりは、意図という方が正確かもしれない。

 

 

しかし情報の受け手は、なんとなく先入観で、ある出来事や事象に対してたった一つの真実があると思い込んでしまうことがある、この情報がそれだと。

 

そして、真実として認定できるためにエビデンスが必要だと思い込む傾向がある。

 

 

物理的なことで数式で定義されるようなものに関してのみ真実は完璧な姿で存在できそうだが、数式で定義できないものに関しては、真実とされてることを含めて無限のウソ(≒自由な解釈)のバリエーションの一つに過ぎない。

 

裁判の判決や語り継がれる歴史的な出来事などは、本当は真実と言えるようなものではないかもしれない。

 

では、それらは何なのか?

 

戦争で揉め事を解決していた時代だと、歴史は強者が作ると言われる。

 

現代だと、強者は、声が大きいとなるだろうか。

 

声が大きいとは、発言力であり財力の裏付けがあるものといえそうだ。

 

 

日本では絶対的な強者だったオリンピック組織委員会の森会長が、辞任に追い込まれたのは、女性蔑視発言で世論の反発、とりわけ海外からの反発に抗しきれなくなってだというのが通説だが、本当は更なる強者であるオリンピック最大スポンサーのアメリカのNBCが『森会長は去らねばならない』と発言したことで、2月11日の出来事。

 

これを受けて、IOCが態度を一変させたことで辞任に追い込まれた。

 

IOCは金で寝返ったのだ。

 

ではNBCは、何がきっかけで『森会長は去らねばならない』と発言したかというと、2月7日の大坂なおみさんの性差別非難を受けてだとされている。

 

 

 

 

なぜ大坂なおみさんに発言力があるのか?

 

大坂なおみさんは昨年9月の全米オープンで優勝したが、その試合中に黒人差別への抗議のためにマスクをしてプレーし話題になっていた。

 

そして、こんな発言をし多くの支持を得ていたのだ。

 

 

 

 

その結果、

 

「世界で最も影響力ある100人」に大坂なおみ選手と伊藤詩織さん 米タイム誌 2020.9.23

大坂選手については、全米オープンテニスの場で人種差別に抗議、スポーツの領域を超えた存在感を示したことを紹介。

 

 

活躍の場が日本に限定されてればまるで話題にもならず、なんの影響力も行使できなかったであろうこれらの出来事が、大坂なおみさんをとてつもない強者に押し上げていたのだ。

 

 

大坂なおみさんの一連の発言は多くの支持を得たことでとてつもない強者になったのだが、その発言内容は数式で示せるようなものではないという意味では、絶対的な真実にはなり得ない。

 

 

 

時代の空気を味方につけた者こそが強者になれるのが現代なのだ。