DX(デジタルトランスフォーメーション)について考えながら、お金の世界のDXとは?、と考えてみた。
以下は、どうやったら儲かるかという類の話ではない。
先入観として仮想通貨に良いイメージを持っていないのであまり考えてこなかったが、DXという観点では避けてはいけないのかなとも感じている。
2016年の末から仮想通貨がブームになった頃は、電子マネーが拡大してるように感じていた。
投資に使える電子マネーとして。
儲かるための投資の色合いが濃かった仮想通貨だが、一部では決済手段としても使えるようにという動きも出ていたからだ。
財を増やすための投資としての株だと決済手段には使えない、そういう意味では柔軟性は高いようにも感じられた。
しかしながら、2017年の年明けに、万全だと信じられていたセキュリティに穴があることが露呈し、仮想通貨を使った犯罪は出来ないと言われていたが、犯人の動きは見えていても犯人を捕まえることが出来ないことも分かってしまった。
これが技術に起因することなら時間の経過で解決することは考えられるがケチが付いたことには変わりない。
しかしながらDXという観点では避けられそうにもない。
仮想通貨の原点には間違いなく現金があるはず。
さらに、仮想通貨の手前には電子マネーが位置してるはず。
他にクレジットカードや交通系カードなどもあるが、銀行口座に紐づいたり、チャージされてる金額に紐づいたりという違いはあるにせよ大元は現金だ。
2017年4月からは日本では、仮想通貨は暗号資産として金融庁の監督下に置かれることになった。
https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/index.html
しかし、GoogleTrendsを見る限り暗号資産という呼び名は浸透も定着もしてなさそうだ。
仮想通貨(暗号資産)が金融庁の監督下に入ったことも関係してるだろうが、取引を開始するためには以下が必要になる(代表的なケースとしては)。
- メールアドレス(フリーアドレス)
- 本人確認資料
・運転免許証/運転経歴証明書
・パスポート
・在留カード/特別永住者証明書(外国籍の方) - 日本円を入出金するための銀行口座
- ログイン時のための二段階認証アプリ
やっぱり、大元は銀行口座に紐づくことは避けられないのだ。
仮想通貨や暗号資産はどこに向かっているのだろうかと思っていたら、こんな記事が流れていた。
中国金融機関、暗号資産関連サービスの提供禁止=業界団体 ロイター 2021年5月19日
声明では暗号資産取引のリスクを強調。暗号資産は「実物資産の価値に裏付けられておらず」、価格は容易に操作可能で、取引は中国の法律で保護されていないとした。
少し前にはFacebookが仮想通貨を発行するかもと話題になっていたが、Facebookの利用者は中国の国民より多いので、中国が禁止してもFacebookが参入すればトータルでは勢いは増すようにも感じられる。
フェイスブックの仮想通貨「diem(ディエム)」が年内に発行されるかも 2021.04.28
Facebookほどの大企業が、ドルや他の仮想通貨を含めた世界最大規模の通貨たちに対抗したら何が起こってしまうのか心配になる人が大勢いたんです。地球全体の人口が79億人であるのに対して、Facebookのユーザーは28億人と、かなり大規模ですからね。
GAFAの台頭で国家を凌ぐ民間企業が現れたが、お金としての仮想通貨や暗号資産は、DXのようでありながら国家への挑戦でもあるように感じられる。
これまでの歴史を振り返ると、世界は大きな流れでは便利で楽になる方向に常に移り変わっていたと言えそうなのだが、お金を巡るDXでは現金(≒銀行口座)がどこまで頑張れるかにかかってそうに感じられる。
主導権を失いたくない国家は現金や銀行口座を必要とする政策で対抗するしかないように見えてくる。
今のところ五分五分の戦いに感じられるが、Facebookの仮想通貨などの動きによっては新たな展開が起きるかもしれないが、
フェイスブック主導の仮想通貨、計画を大幅縮小 5/13(木)
スイスを拠点にグローバルなデジタル通貨の立ち上げを目指してきたが、米国の既存銀行と提携する形に切り替える。当初の構想からは大きく後退した形だ。
と、記事にあるように今のところは現金(銀行口座)に逆らうことはできなそうだ。
少なくともコロナ禍では現金(≒銀行口座)の優位が続きそうだ。