ちょっと考えさせられる、というか、気付かせられる記事があった。
博多大吉 「信頼しているインフルエンサーは?」のアンケート結果に困惑「恐ろしい時代来ましたよ」 2021年5月26日
「肝心なのが得票数」と言い「1位の得票率2.2% 2位1.1% 3位0.9%」と上位にも関わらず、低い得票率に着眼した。「おじさん細分化されるって言ったよ」でも「ここまで細かくなるな。もう無理。恐ろしい時代来ましたよ」とインフルエンサーが増えすぎている時代に困惑の様子。パーソナリティーの赤江珠緒(46)は「てことは、5人か10人が言ったらランキングしちゃうってことか。あてにならん」とツッコんだ。
その大元のアンケート結果というのが以下で、詳しく知りたい方は目を通して欲しい。
注意点としては若い人限定の調査だと言うこと。
「いちばん信頼/参考にしているインフルエンサー」はHIKAKINが1位【LINEリサーチ調査】
これは芸能界やエンタメ界隈に限った話でなく、程度の違いはあってもおそらく一事が万事的にほぼ全ての分野や業界で起きてる現象のはず。
そう考えると、巷で言われるところの『価値観が多様化してる』というのは単なる結果で、構造的に『価値観が多様化せざるを得なくなった』と言った方が相応しいのかもしれない。
ヒエラルキーの構造も、以前は大きなピラミッド状で数が少なかったのが、サイズが極端に小さくなり数は無数になっているのだ。
さらに言うと、無数にあるかに見えるピラミッドにすら属さないで、単独で回遊するような存在も少なくないはず。
上記の調査の対象年齢より上の人の生き方を見ることで、この傾向が生まれてるとすれば反面教師の結果だ。
そう考えると、GAFAの見え方も変わってくる。
Google、Amazon、Facebookの3社に関しては、母家を持たずに軒を貸してるだけに見えてくる。
どんなに拡大しても、乗っ取られる母屋がそもそも無いから無敵なように見えてくる。
正確に言うと、母屋が物理的な存在ではなく概念のようなものだから、乗っ取りようがないのだ。
概念が勝手に多様化するのは自然なこと。
そして1社だけ異常なのがAppleなのだ。
スマホにしてもPCにしてもシェアでNo. 1になるわけではないが、そのシェア内のOSもソフトウェアもハードウェアも全て独占出来ていて、母屋が強大で完全無欠に武装してるようなもので、もはや侵入不可能と言えるだろう。
自由競争下でこんな地位を築けてるのはAppleだけだし、多分ジョブズの遺産がすべてで、表面的には多様化の真逆に感じるが画一的とは感じない。
最も重要なことは、ここまで語ってきた全ての現象は、一人一人の積極的な意思や興味や関心が起こした結果であり、無理矢理させられてるわけではないということ。
一方で、まるで後を絶たないのが詐欺や騙し。
上場企業ですら怪しいことをやっている。
本当に価値観が多様化してるならば、ビッグデータに果たして意味が見出せるのだろうかと言う疑問が湧く。
もちろん自然現象など人間行動以外の分析には役立つだろうが。
せいぜい人出が減ったとか増えたとかのレベルに留まってるだけにしか思えない。
コロナが無かったらそれすら意味がないだろう。
価値観の多様化や細分化が顕著なわりには、共感や同調を求める圧は減らないように感じられる。
この辺に、現代人が抱える心の闇が見える気がする。
もちろんただの過渡期の現象とも言えそうだが。
このような埒が明かないことを考えていたら、情報を読み解く尺度にも2次元と3次元があるのかもと思えてきた。
2次元的な見方だと同じに見えるところに、3次元的な視点を与えると全く違うところに位置してるということに気付くことはあり得るのだ。
違いに気付けないのは、2次元的な尺度しか持ってないからかもしれない。
多様化の背景には、当てはめる尺度の違いもあるはずだ。
多様化や細分化と呼ばれる現象は、平面的な尺度しか持ち合わせないところに、立体的な尺度を持ち込まれて混乱してるから起きているとすれば、本当は元々あった違いに気付いてなかっただけなのだ。
多様化や細分化と称した現象が顕在化したら、違いに気付かずに同一視してた頃には戻れない。
戻れなくなった人は、すでに3次元的な尺度を身に付けたということだろう、自覚は薄いかもしれないが。
リテラシーとは似てるようで違いそう。