現代がどういう時代なのかを反映している記事が流れていた。
女子中高生ら装いSNSで交流相手募ったら…9時間で160人返信、性的要求が大半
高1の「あかり」が「家出した」と書きこんだ数秒後から「家に来る?」「車持ってるよ」などの返信が届き始め、開始約3分で17人に上った。小6の「みき」には「お顔みせて」などの要求が相次ぎ、中2の「ひな」には、男性器の画像を送りつけてくる人がいた。
これを見て遠い昔を思い出していた。
まだインターネットなんて概念上のものに過ぎず、影も形も一般人には見えてなかった頃の話。
わたしが高校生で妹が中学生の頃の話。
とある月間誌の読者の交流欄で妹が文通相手を募集したのだ。
この件に関して妹と直接話をしたことはない、全て母から聞いた話。
文通って分からない人も多いんだろうな。
#YOASOBI
— 彩阿 (@aisrouha252588) 2021年9月19日
の楽曲「#大正浪漫」の原作📖
大正と令和の時代を文通で繋ぎ、互いを想い合う二人の姿に心温かくなりました✨
このTwitterも文字で繋がっている世界。
皆さんがくれる言葉や存在に救われる事が多々あります😊
どんな形であれ、人との繋がりは心を強くしてくれるものだと感じました✨→#読了 pic.twitter.com/lhU3tZzPmz
妹の連絡先(つまり自宅住所)が掲載された号が出て数日経過したであろう頃から妹宛の手紙や封書が連日60通以上届き始めたらしいのだ。
高校生のわたしは全く気付かなかったが、ある日母の愚痴を聞かされた。
雑誌の文通欄に載せたりすると大変なことになるねと。
妹は手紙が来るのが嬉しかったみたいで毎日嬉々として読んでは返事を書いていたらしいが、ある日に父の堪忍袋が切れてそれで終わったらしい。
母の愚痴を聞いたのは全てが終わった後で、わたしは同じ家にいながらそんなことが起きていたことを全く知らなかった。
妹が文通希望を出して実際に掲載され、文通希望の手紙が届くようになるまで今想像するとそれなりの時間が経過してるはずなので、おそらく妹に手紙を送ってきた人たちは現代のSNSに反応する人たちとは属性が同じだとは思わないが、妹以外にも多数の人に同じような手紙を送ったであろうことは想像できる。
個人情報なんて『何それ?』の時代の話だ。
文字を介してのやりとりは文学の薫りがする。
臼杵に石川啄木の手紙が展示されている喫茶店があると聞いて休憩に寄ってみたら、啄木と文通したい文学青年が女性の名前で手紙を出したら啄木が引っ掛かかって文通していた手紙、というものが額に入れて展示していて面白い。
— ツーダラダッタ (@nanpoubanana) 2021年1月10日
文字で騙したり、文字で騙されたりするのが文学なのかもしれない。