世の中の諺や教訓を見渡すと、
成功から得るものよりも
失敗から得るものの方が大きい
と、表現されるものが多い。
短い時間軸の中では成功はゴールのように感じるが、その成功が新たな失敗を呼び込むことは決して珍しくなく、無限ループを描くかのようだ。
成功がゴールだと思えばこそ失敗は成功の母のように思える。
そして、細かい部分に目を向けると、自らの試行錯誤としての失敗から得るものが大事だと言ってることに気付く。
欧米では成功者が高らかに自らの成功体験を語るとブーイングが起き、悲惨な失敗体験からの復活話を語ると拍手が得られる、TEDスピーチでもお馴染みの光景だ。
しかしながら、失敗体験と成功体験を天秤にかける際に生産性や効率を意識してしまうと、失敗体験が有効だとしても、できることならスキップしたいと思うだろう。
そうすると、失敗は他人が起こした体験の擬似体験化で済ませることが効率的で、実際には失敗しないので無駄な時間やコストも発生しないと考えたくなるだろう。
このようなプロセスは自然と世の中に浸透し蔓延するし、リスクを取りたがらない現代日本人のメンタリティとは相性が良いはずだ。
世のコンサルの多くが、『こうすれば成功する』ことは教えることができないが、『こんなことをしたら失敗する』は得意気に教えたがる。
「コンサルというのは沢山のバナナやピーチの精緻な絵を持っているけど、それらを一度も食べた事がない人ようなものだ」というアナロジー(例え)に拍手喝采。成功と失敗を類型化して頭に入れているコンサルには、時間を節約してくれる価値が大いにあると個人的には思うけど。 https://t.co/Q5CYK3IiOm
— 井上大輔 (@pianonoki) 2020年5月26日
「失敗から学ぶ」というのは「失敗から学んで成功した人」のことであって「失敗しかしてない人」から学ぶことはないという話になった。
— 勝浦雅彦masahiko katsuura (@katsufootball) 2021年7月27日
「失敗しかしてないのに人に教えたい人」なんていないでしょ?と言ったら、
「過去の失敗を売りにしてコンサル業をやる人」はけっこういるそうだ。世の中色々…。
問題はコンサルの側ではなく、コンサルに教えを請う側だ。
コンサルの良し悪しを見抜けない目利き力のなさが問題なのだ。
この目利き力のなさに大きな影響を与えているのがSNSなのは間違いないだろう、それこそスマホ脳なのだ。
2か月ほどネット碁を打ってない。
— いとつむぎ(水蓮) (@vyom_yo) 2021年4月27日
今朝のニュースでスマホ脳のことを取り上げていたけど確かに対面で打つ方が百倍楽しくて頭も使ってる。
自分の手で碁石を置く対局の方が成功も失敗も良く覚えている。
しかしコロナ禍。
いつ囲碁も対面で打てなくなるかと思うとネットも解約できない〜
月額2200円〜
成功と失敗は対をなすように感じられる。
成功だけを求めても無理ゲーだし、失敗の省略も無理ゲーなのだ。
リアルな成功体験を欲するならば、リアルな失敗体験が必要なのだ。
勉強や研究と称して世の中の失敗事例を分析してもたぶん成功には近づかないのかもしれない。