違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

企業案件という免罪符

世の中に出回る情報の多くが、自分や自社に利益誘導するものであるか、あるいは誰かにお金をもらってその人や企業に利益誘導するものばかりになっている。

 

こういうものは十把一絡げに企業案件と呼ばれる。

 

テレビを見ると、特定の店や特定の企業の商品ばかりを集めて採点したり、専門家を呼んで合否を判断したり、番組自体が企業のPRの場になってることを感じてる人は多く、テレビ離れの理由の一つだ。

 

儲けのためになんでもやるという立場と、儲けさせてくれるならなんでも望むことをしますという立場の、相互の利害の一致によって成立してるのが企業案件。

 

古くは雑誌における記事の体を装った広告宣伝から始まり、テレビでは経済専門の報道番組で取材の体を装って『これがトレンドです』と紹介するが、もちろん企業側がお金を払って番組のコーナーをスポットで買っているだけなのだが、ボーッと見てる人には『そうか、これが注目されてるのか!』とインプットされる。

 

 

しかし、ボーッと見てる人ですら『なんか宣伝ばっかりだな』と気付くようになった。

 

 

 

それと同時に、企業案件にも気付くようになることが増えた。

 

それは、お金を出さない(=儲けさせてくれない)企業は遠慮なく叩くという現象。

 

叩かれるのは、叩くに値する不祥事が発覚するからなのだが、昔だったらスポンサーの悪口は言わないという暗黙のルールがあるかのように大きな社会問題になるまで取り上げることは少なかった。

 

近年、不祥事が発覚する企業が増えているのは、ブラック企業が嫌われているだけではなく、儲けさせてくれないなら遠慮なく叩くというメディア側の変節も大きい。

 

こんな数字があった。

 

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上場企業が設置した第三者委員会の情報をまとめている「第三者委員会ドットコム」によると、2016年、17年は40件台だったものが、2018年からは70件前後に増え、今年は8月の時点ですでに50件に迫っています。

 

 2012年  2件

 

2013年 18件

 

2014年 20件

 

2015年 53件

 

2016年 48件

 

2017年 43件

 

2018年 79件

 

2019年 73件

 

2020年 65件

 

2021年 8月10日までで47件

 

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引用は下記サイトから

「企業不祥事はまだ続く」 専門家が警鐘 2021/8/14(土)

 

 

メディアと企業が持ちつ持たれつの関係だった頃だと、よほど社会を揺るがす問題になるまでは、ネタとして不祥事を取り上げることを避けていたはず。

 

同じ理屈は、政治や政治家との関係にも当てはまるはずで、恩を売っておけば後に得できそうな場合は不祥事に目を瞑るだろうが、この政党や政治家は権力が弱いなと感じたら容赦ないはず。

 

 

企業案件について考えていると、大元に『長いものには巻かれろ』が強く生きてるなと感じられる。

 

不本意な行動であっても企業案件と呼ぶことで気持ちを割切り、魂までは売ってないという免罪符にしてるのだろう。