今更ながら知床での観光遊覧船の沈没事故のキーワードはコスト削減の成れの果てだと断言できる。
当初からそのことは随所に感じられていたがわたしの中ではこれが決定的だった。
北海道の知床半島沖で起こった観光船「KAZU Ⅰ」の事故で、同船が連絡用に使っていた無線は業務用ではなくアマチュア無線ではないかと、早い段階から一部のアマチュア無線家がSNSで指摘していた。それがマスコミの目に止まり、今回の記事につながったのだろうと想像する。(写真は今朝の毎日新聞28面) pic.twitter.com/1JA3NGqp95
— 吉富有治 (@yujiyoshitomi) 2022年5月9日
このツイートは連続で続きアマチュア無線の何が問題かが分かりやすいが最も重要な点が、
アマチュア無線を仕事では使うことは法律で禁止されている。「KAZU Ⅰ」の運行会社は安全対策の不備に加え、通信関連の法令遵守すら行われなかった。なおアマチュア無線の管轄は総務省であり、同省はこの問題に加え、トラックなどで横行するアマチュア無線の違法・脱法運用にも目を向けてもらいたい。
— 吉富有治 (@yujiyoshitomi) 2022年5月9日
事故直後からアマチュア無線を使用していた電波法違反を指摘するツイートを良く目にしていたが、そのことを指摘するメディアはなかなか現れず、衛星電話を携帯電話に切り替えたという話に留まっていたがここに来てアマチュア無線の話も正式に出てきた。
単に地方の一企業の話ではなく、日本全体に蔓延る病巣がコスト削減なのだ。
売り上げの拡大よりも重要なのは利益の拡大で、そのためにはコスト削減が大事、そういう意識が露骨になり出したのは20年前頃から。
人材派遣業の登場を起源とするなら、さらにその20年前になる。
以下、知床の事件に関してのツイートを載せるが、そこに書かれてる遊覧船会社の部分を日本企業と置き換えてもそのまま当てはまる企業がとても多いはず。
コンサル小山昇氏、「知床遊覧船の会社のコスト削減に成功」の記事が謎の力で削除される(魚拓) | いろいろまとめbeans https://t.co/krEytozkNV #小山昇 #知床半島 #桂田精一
— 渡邉哲也 (@daitojimari) 2022年4月27日
世間の非難の声の多さにダイヤモンド社は削除していた記事を現在は復活させている。
コスト削減のきっかけは多くの場合はアドバイスを受けてだ。
アドバイスする側は、それを儲けのネタにするのだが。
その結果、
知床遊覧船の事故、社長代わってからベテラン社員全員解雇したりGPS外したり完全にコスト削減しまくってたみたいだけど、安全管理の意識が慢性的に欠如してたんかな
— 店長 (@Tentyouth) 2022年4月25日
コロナ長期化で借金増えたからって…
コスト削減を意識しすぎた末、安全対策がおろそかにされ、事故は起きた。
— 村井弦|文藝春秋 (@Murai_Gen) 2022年4月27日
知床26人遭難“強欲一族”の罪「波が高くても行かせろ」 #週刊文春 https://t.co/XUSpBt5RCf
知床しかり、保育園しかり、大阪しかり、コスト削減に狂奔する際に槍玉に挙げられて切り捨てられるのはベテランやしがらみという名の地域のネットワークゲロ🐸いつの間にか、「命」が軽視されていく、ゲロゲロ🐸
— 💙💛ひっくりカエル🐸 (@OPgetwalkoffwin) 2022年4月27日
ボロ船
— ニュースお伝え (@trend_news_rel) 2022年4月26日
船長は知床の海は熟知せず
壊れた無線
コンサルをはき違え誤ったコスト削減
雲隠れ桂田精一社長
知床観光遊覧船(KAZU1)は40年のボロ船「瀬戸内海仕様のほうらい汽船ひかり8号」縄田造船所製 https://t.co/gJSmImO8Gn #知床遊覧船 #知床観光船事故 #Yahooニュース #株式会社武蔵野 #小山昇
知床の観光遊覧船「KAZU Ⅰ」って、日本そのものだとお気づきですかね?無責任な親の七光り責任者。利益優先ネオリベブレーン。メンテすら出来て居ない船。壊れた無線。ブラック環境下で責任押し付けられる現場の船長。現実が把握出来ていなかった乗船客。奪われた大切な命は私たち国民自身の命です。
— Dark Knight (@DarkKnight_jp) 2022年4月26日
これらのコスト削減は、コンサルのアドバイスによって生まれていることを忘れてはいけない。
コンサルがコスト削減で活路を見出そうとすることと、実は大した実績のない松下幸之助が経営の神様などと崇められる日本の価値観は無関係ではない。
ただのケチで、他社の企画やアイデアや商品を上手に要領よくパクっただけの、ただその見せ方は上手だっただけの松下幸之助が松下政経塾を作り、経済界だけでなく政界にもケチイズムを浸透させた。
コスト削減の教祖は松下幸之助で、その布教活動をコンサルが展開した結果今の日本があるのだ。
知床の遊覧船沈没事故は、そんな流れの中で安全や命とトレードオフが行われた結果起きたのだが、11年前の東日本大震災での福島原発の事故も津波対策をケチったために起きたことは、もうすでに多くの人が忘れかけてるだろう。