違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

すべては口座残高665円から始まった

例の事件は『4630万円事件』として語り継がれそうな気配がする。

 

まるで1968年に起きた三億円事件が色褪せないように。

 

数年後でも『あの4630万円だけどさ…』で話が通じるネタになりそうで、15年〜20年経過すると、流石に忘れてる人やそもそも覚えてないし知らないという人も出てくるだろうが。

 

返済の意思を示してるというが、返済計画などあるわけないだろう。

 

4630万円はどうなるのか?

 

きっと町役場がバカを見ただけで、逃げ得が成り立つのではと誰もが思っているかもしれない。

 

もちろん犯人自身だって名前も顔も知れ渡ってしまったが、裏社会や反社会な生き方をするならむしろ箔が付いたくらいに思っているかもしれない。

 

実は残念な第二幕もあるらしいのだが、それは後ほどとして、事の始まりを振り返ると、4月8日役所のうっかりミスでの誤送金に犯人が気付いたのは、当日役所の人が自宅を訪れた時らしく、自分で記帳して気づいていたわけではなかったようだ。

 

報道によるとその様子は次のように伝えられている。

 

 

 

・事前に電話をしても繋がらず、朝9時50分に自宅に訪問したら「寝起き姿で出てきた」

 

・誤送金された支出伝票を見せながら説明をしたら「二度見して驚いていた」

 

・町の職員が事情を説明したら100万円くらい欲しいなぁと言っていた。

 

・銀行に同行してほしいと伝えた所、「風呂に入るから1時間くれ

 

・銀行に到着後「やはり、今日は手続きをしない(そういう気分じゃない)」「後日、公文書を郵送してくれっ!(じゃないと返さない)」と駄々をこね始める。

 

おそらく犯人は、この短時間の中で自分にツキが回ってきたと思い込んだのだろう。

 

この事件より重要なことは世間にはたくさんあるはずなのに、なぜこんなに世間の注目を浴びるかというと、解釈は多様だろうが『自分だったらどうするのだろうか?』、『自分だったらもっと上手くやる』と、強烈に感情移入するからだろう。

 

直前の口座残高が665円のところに正規の給付金10万円と誤送金4630万円が振り込まれたら、勘違いする気も分かる人は多いはず。

 

 

ツキが回ってきたのではと思って取った行動の全てが招いたのは、ツキとは似て非なるツケだった。

 

ところでこの4630万円を巡っては、まだ世間では噂されてない第二幕があるらしい。

 

 

この話にそそられる方はぜひリプの数々の法律論や税金論を読んで欲しいが、ここまで大事になり世間の関心事になった以上税務署は大人しくはしないというのが事情通の方の共通見解だ。

 

犯人の24歳は、まさに後悔先に立たずを絵に描いたような生き方を選択したのだ。

 

 

世の中にはもっと大事なことがあるのに、この事件が人々の関心を呼び起こすのは、犯人を見ていてまるで自分を見てるような気がしてるからかもしれない。

 

世の中には平均値として公開されるデータが、その中央値と極端に乖離してるものが少なくない。

 

例えば貯蓄。

 

4630万円事件の犯人の口座と似たような状態の人はびっくりするほど多いのだ。

 

 

とても他人事とは思えない人が多いはずだ。