靴に関して思った話。
きっかけは、たまたま次のツイートを見たから。
年金機構の職場では「サービス巡回」と言うのがあるらしく、職員の服装や髪型までチェックしているらしい。女性はパンプス、男性は黒か茶のビジネスシューズ。脚が不自由で黒のスニーカーを履いている女性を見つけて「診断書を出せ」と言う始末らしい。#KuToo 運動を知らないのか?ブラック校則並み!
— 中本邦彦🌈🇺🇦 (@kuniboou) 2022年5月30日
このツイートがさりげなく伝えているのは、伝統的な靴を巡るTPOの使い分けの対極に、万能シューズとしてスニーカーがあるということだ。
時代はスニーカー側にシフトしたなと改めて実感する。
そういえば昔はスニーカーとすら言われずに十把一絡げに運動靴と呼ばれていたなと思い出す。
スポーツの種目毎にコートやフィールドとの相性や、動きに合わせて最適とされるシューズのデザインは今でもあるが、ストリートで履く場合にはそんなの関係ない。
子供や学生の靴も運動靴と呼ばれていたのは通学時の動きやすさや汚れても構わないことが求められていたからだろうし、だからこそ大人の靴は運動靴ではないものという文化につながったのかもしれない。
カジュアルな文化とフォーマルな文化が対立する場合には、フォーマル側に無理があることが多い。
今では靴が健康に及ぼす影響の大きさは多くの人に周知され共有されてるので、大事なことは、履いてる靴が快適で気持ち良いことになる、履いてる靴がデザイン的にも好きであれば尚良いが。
良くも悪くも履いてる靴にはその人が持ってる価値観が現れる、これは高級な靴が良いという意味ではない。
ところでスニーカーはかなり以前から銘柄やモデルによってはコレクターズアイテムとして投資の対象にすらなってるので、今更GoogleTrendsで『スニーカー』の動きを見ても得られるものは何もないだろうなと思ったが、検索の動向は意外なものだった。
検索レベルで明らかな動きが見て取れるのは2013年になってからで、それぞれの年のピークは4月なのだ。
さらに、2020年の4月が他の年より伸びてないのは明らかに最初のコロナ自粛の影響だろう。
4月にスニーカーの検索が増えるのは、もちろん新年度の始まりと無関係ではないはず。
気持ちを新たにするためのアイテムとして位置付けているのがスニーカーだという人がきっと多いのだ。
ところで、2013年からスニーカーの検索が増えたのは何故だろうと調べるとこんな記事が見つかった。
やっぱり2013年は日本におけるスニーカー元年だったのだ。
「たった1年で着用率1.7倍」2014年の日本で"スニーカーを履く女性"が急増したワケ #KuTooが盛り上がるはるか前
後述するが、特に影響を受けたのが女性だろう。彼女たちにとって、パンプスから履きかえることへの抵抗感は少なくなったし、また基礎知識を得ることで、そこから先に広がるスニーカーの世界に興味関心を持ちやすい状況も生まれた。たとえ突飛なデザインであっても、そのモデルが世間一般のベーシックであることを知れば、人は疑うことなくスタイルに取り入れる。
記事は有料記事で後述されてる部分は読めないが、想像は難しくないだろう。
スニーカーが気分一新に効果的な理由としては、街で颯爽とスニーカーで歩いてる人の格好良さも大きいだろう。
革靴で本当は颯爽と歩いていても、見てる人は『ああ、社畜が時間管理されてるんだな』としか見えないのが現代なのだ。