潤沢にエネルギーやモチベーションを振り向けることが可能ならばテクノロジーが向かう先は予想可能かもしれない。
耳にタコができるほど聞いた、IoTやAIや自動運転に関連する技術や活躍の舞台を宇宙にまで拡大する話などは全て、心置きなく資源やエネルギーや尽きないモチベーションの供給の持続があって初めて可能になる。
しかし、世界情勢はそれにブレーキを掛けたがっているようだ。
予想外だったコロナやロシアウクライナ戦争は、さらなる課題の連鎖を生み出している。
当初はコロナのせいで余儀なくされたと思われていた世界的な半導体不足は、軍事用途と民間用途の需給バランスや国家のイデオロギーの対立にも波及しているようにも見える。
トランプ政権による通信大手ファーウェイへの取り締まりと似ているが、新規則は範囲がはるかに広く、数十社の中国企業に影響を及ぼす。また、積極的だが散漫と見られていたトランプ政権のアプローチとは異なり、この規則は、さまざまな中国のテクノロジー企業への最先端技術の輸出を止め、中国が高度なチップを自ら生産する能力の構築を断ち切るという目的が明確だ。
中国がダメージを受けるのはもちろんだが、世界の工場である中国が機能しなくなる可能性すらあるのでアメリカにだってブーメランとなるはず。
トランプ大統領の時代に始まったアメリカの自国優先は、グローバル化にブレーキを掛けていたが、さらにブレーキが強まるとしたら、さまざま分野で潤沢に注ぎ込まれていた資源やエネルギーやモチベーションも枯渇しかねなくなるのかも。
iPhone14の販売が芳しくないという話が最近話題になっていたが、これは円安で輸入品が割高になっている日本に限った話だけではなく、アメリカでもだ。
そのため予定していた増産計画を断念している。
こういう流れをネガティブな事と捉えるかポジティブな事と捉えるかで見え方は大きく違ってくる。
iPhone14は中国でも売れ行きは芳しくないらしいが、ラインナップの上位機種であるproシリーズは好調とのこと。
事情通は、11月の中国での『独身の日』にiPhone14がどのような売れ行きを示すのかに注目してるらしい。
独身の日の売れ行きが期待を下回るようだと、従来の流れと違った方向に世界は動き出すのかもしれない。