世界の覇権を巡って米中が争っているのはコロナ前から顕在化していた動きで、アメリカが先進国を取り込んでいるのに対し、中国は発展途上国を取り込んでいるという対比で語られることが多かった。
日本で生まれ育って生活してると慣れ親しんでいるのはアメリカ的な文化の方なので、日本はアメリカ寄りだと自然に思い込んでしまっている。
もちろん、わたしもそんな一人だ。
日米関係にいろいろな問題があるとしても、日本がアメリカ寄りになるのは自然だと思っていた。
だからこそ、イージス・アショアの話はいろいろ勘ぐりたくなる話だった。
Wikipediaでは物々しい状態になっている。
軍事関連の軍備情報に該当するので専門性が高くなるので中身に踏み込みたいわけではない。
ただ大前提として、日米にとっての脅威として中国や北朝鮮やロシアがあるという共通認識が成立してるのだろうということだけから以下の話を展開したい。
イージス・アショアとはアメリカのミサイル防衛システムで、日本は2017年に導入を決定していたが6月15日に河野防衛大臣が突然の停止を発表したのだ。
わたしにとって重要なのは停止の理由として挙げられた内容よりも、言いなりになっていたアメリカに対して理由があるとはいえ停止したことで、きっとトランプさんのご機嫌を損ねるだろうと思えたから。
表に出てくる理由とは違う理由がきっとあるはずだと勘ぐりたくなる。
ところで、この事実は中国では以下のように報じられてるらしい。
日本がイージス・アショア配備を停止したのは「米中との快適な距離感を探すためか」=中国報道
〜〜以下引用〜〜
日本は米国の同盟国である一方で、世界の経済や政治における中国の影響力は極めて大きく、「米国の手先となって中国を牽制することは、日本の国益に反するようになっている」と主張。日本は日米関係と日中関係の調整を行っていて、その一環がイージス・アショア配備プロセスの停止なのではないかと考察し、「日本は米中との快適な距離感を探しているのではないか」と主張した。
〜〜引用ここまで〜〜
この理由は、わたしも思っていたのだ。
コロナの発生のせいかもしれないが、今年のアメリカ大統領選挙が盛り上がってるように感じられない、それはアメリカの衰退が起きているからのように感じられてならない。
1年半ぐらい前頃から5G通信が話題になり始め、ファーウェイが最先端を突っ走っていることが報じられるようになり、その後その先進ぶりに恐れをなしたアメリカがヨーロッパを巻き込んでファーウェイを排除する動きを取り始めた。
一旦はアメリカになびいてファーウェイを排除し始めた国の一部がその後受け入れを再開したりして、技術的な優位は確かなようなのだ。
そんなタイミングでコロナが発生して現在に到ってるが、1ヶ月前にこんな報道が出ていて、わたしの心に引っかかっていた。
中国、テクノロジーに150兆円投資へ-米企業抜き世界の主導権狙う 5/22(金)
〜〜以下引用〜〜
この新たなインフラ戦略はファーウェイやアリババ・グループ・ホールディング、商湯科技(センスタイム・グループ)など主に国内大手企業の振興に充てられ、米国企業は蚊帳の外に置かれるとみられる。技術国家主義(テクノ・ナショナリズム)が高まる中で外国テクノロジーに対する中国の依存を減らすのが狙いで、以前に打ち出された「中国製造2025」と目的は同じだ。
〜〜引用ここまで〜〜
日本は今、アメリカに付くべきか、それとも中国に付くべきかで損得勘定の真っ最中に見える。
イソップ童話のコウモリの話を思い出す。
獣に付くか、鳥に付くか、その時々で行ったり来たりするコウモリは、最後は両方から嫌われるという話。
現実世界は童話のように単純ではないのは承知の上で、現在ファーウェイ製のスマホやタブレットはGoogleアプリが一部を除いて使えない状態にされてるが、この辺りの変遷を追いかけてると、世界の趨勢がアメリカと中国のどちらがリードしてるかが見えてきそうな気がする。