どのような呼び方をするかはさまざまあるが、一括以外の支払い形態の多くは、金利や手数料等のプレミアムが付き支払い総額は多くなる。
このような形態の支払いを、正当化させる根拠として用いられることが多い価値観が生産性重視。
生産性重視は、今現在を過剰に評価することと、投資効果を過大に見積もるという、二つの皮算用で成り立つ。
日本に関しては、終身雇用と年功序列が両立してる時期にはこの二つの皮算用は無茶さえしなければ成立するのが当然だった。
しかし、終身雇用も年功序列も崩れた今となっては、投資効果を過大に見積もることは愚かな判断であり、いちかばちかのバクチにしかならない。
かつての日本では容易に成立していた出世とは、大きな間違いさえ起こさなければ、順送りで回ってくるバラ色なものだったが、令和になると限りなく無色透明なものになってしまった。
出世とは何かをトレードオフするから得られるものから、その何かが大事な人は出世は目指さないし望まない時代になった。
そんな限りなく有名無実化した出世を活用する話が出ていた。
自民・茂木氏「出世払い型奨学金を拡充」 卒業後、所得に応じて返済
自民教育・人材力強化調査会は子どもをもうけた場合に奨学金の返済を減額するなどの提言案をまとめている。
記事を読む限りはわたしが知りたいと思うことは分からなかった。
わたしが知りたかったのは、『出世しない(できない)場合は残債が免除されるのか』に関してだった。
なぜなら出世払い型が求められるのは次のような事態の改善のためだからだ。
貸与奨学金 返済に苦しむ社会人 「無理ゲー」「生きるのがしんどい」…「取り立てが怖い」との声も
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) 2022年8月12日
岸田文雄首相は「出世払い型」の検討を指示も、中身はこれから。専門家からは「返済し続けるのが前提の構造が問題」との声も。給付型の拡大を含め、早急な見直しが必要では https://t.co/kVwZUfT5dB
ここで、本来の意味の出世払いを確認すると、Wikipediaには次のようにある。
経済力の低い若年者などに、金銭的な援助をしたいのにもかかわらず、相手が遠慮をすることがある。そのようなときに、将来出世をした時に返してくれたら良いと言って、明確に期限を設けずにお金を貸すという行為におよぶことがある。このようなお金のやり取りを俗に出世払い(しゅっせばらい)と称することが多い。
その課題として、
お金を貸した方が(経済的に没落するなどして)すみやかな返済を求めたときに、借りた方が相変わらず出世をしていない(返済能力がない)場合、泥沼化する恐れがある。
と、あった。
確認して分かったが、借りる側を思い遣ったからのように思われていた出世払いは、実はなかなか借り手になろうとしない人の言質を取ったり、油断させるためのようにも見える。
出世払いの意味を、出世しなければあるいは出世できなければ支払いの免除を受けれると解釈する人はカモ確定の可能性が大だ。
18歳での成人もそのために設けられた布石なのかもしれない。