ぼんやりとしながらふと思った。
最近通販を全く使わなくなったなと。
通販を使わないということは、買いに行ってるということだ。
その方が安いという場合も少なくないし、クレーム的なことが発生した場合のストレスも少ないし、買いに行くこと自体が運動にもなるしレクリエーションにもなるという意味では一石三鳥、四鳥となるからだ。
そして、何よりも売ってるものに大差がないからだ。
もちろん大して忙しくないからともいえるのだが。
明らかなヒットや売れ筋が分かれば、真似をしたり類似商品は簡単に作れる時代だからこそでもある。
そこに技術的な参入障壁があるとか、マイナーで特殊だとか、あるいは特許に代表される権利関係のハードルさえないならばだが。
つまり、通販だろうとコンビニやスーパーやドラッグストアやホームセンターで売ってる商品だろうと、大きな違いなどなく、違いがあるとすれば価格だろうが、これらの業態での中で一番高価なコンビニだって充分売れている。
インターネットや仮想空間の存在に馴染んでしまうと、無意識のうちに物理的な距離を障害に感じなくなるが、リアルな空間での活動を前提にすると今でも物理的な距離は大きな障害になる。
遊びや趣味としての移動(旅行含む)は別にすると、物理的な移動は苦痛と紙一重になっている。
コンビニが価格が高くても売れる理由の一つであり最大の理由は、店の数が多いこと。
つまり小さな商圏を多数押さえているからと言えるのだ。
商圏を語る場合大きく二つの基準がある。
距離または人口で、距離の場合は半径〇〇kmなどと表現されるが、車を使っての場合もあるので指標としての絶対性は薄く、最近は商圏人口で語ることが多い。
つまり近所だからという理由以外に自転車や車での通りすがりや遠征も含めての商圏人口だ。
次の2019年の日経新聞の記事は4年前とはいえ間にコロナ禍があったことを考えると内容に古さはないはず。
コンビニ、縮む商圏 9割が店舗当たり人口3000人未満 チャートは語る
国土交通省資料によるとコンビニの一般的な商圏人口は3000人。業界でも出店の目安の一つとされる。調査の結果、全国約1900自治体(政令市の区を含む)の約8割で1店あたりの住民数がそれを下回った。こうした自治体には全店の9割の約5万1000店が立地しており、ほとんどの店舗の商圏人口が標準を下回ることになる。
つまり、コンビニは岐路にあるのだが、だからといって衰退してるわけではない、ただ商圏という考え方からすると淘汰される店舗は増えそうだ。
それに対して、商圏人口1万人とも2万人とも言われているドラッグストアは出店が活発で、近所で閉店したちょっと大きめの店舗の後にドラッグストアやディスカウントストアができたという経験を持つ人は多いかもしれない。
ホームセンターやドラッグストアとディスカウントストアは商圏と商品が重なり三つ巴の戦いをしてるのだが、まだ飽和状態には達してなさそう。
食も薬も売るドラッグ店「コスモス」躍進 大型店新設https://t.co/nOnpVmNEoI pic.twitter.com/Gr8Kucik3R
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) 2023年3月4日
最近では家電量販店の商品陳列の内容が大きく変わり、もはや家電ではないジャンルが増え、どちらかというとホームセンターやディスカウントストア寄りになってる店舗が増えている。
この変化は、一旦は十把一絡げに通販が市場を奪った後に、あくまでも直接現物を見た上で買いたいと思う商品との棲み分けを示しているのかも。
決して通販市場が落ち目になってるという意味ではなく、商圏など関係ない通販と商圏の変化が著しいリアル市場の二局分化が顕著になってるということなのだろう。
事業を捉える際に商品やサービスに目を向けがちだが、商品やサービスの多くが差別化できにくくなってる現在、客は商圏で判断してるのだ、自覚は薄いかもしれないが。