Twitterで『ブックオフ』が話題になっていた。
なんとなく話題の核心は想像できたが、実際に見るとやっぱりそうだった。
ブックオフが話題になる場合のテーマは大きく二つある。
- 著者や出版界には1円も入らない
- 『ブックオフで買った』というのは著者に対して失礼、本をバカにしてる
これって廃れる産業や業種や業界に共通している流れだ。
個人的には、この流れを加速させたのがカリスマ編集者の登場だと感じてる。
出版界の一部が売れさえすればなんでも良いと舵を切ったのだ。
その結果、ネームバリューだけがある(=ネームバリューしかない)インフルエンサーが書いた(実際にはゴーストライターかもしれない)本ばかりを出すようになった。
そして、これらの本の末路がブックオフで、決して昔ながらの古本屋ではない。
ここでいうブックオフという存在は、その後登場するメルカリなどとも共通するもので、本当に価値があるものならば所有者は手離さないので、中古市場や転売市場に流れるものは所有者が価値を認めなかったという証でもある。
「棚のすべてを「猿岩石日記」が埋め尽くしている。それはかつて私が実際に見た光景であった。/一生かかっても読みきれないほどの「猿岩石日記」である。九〇年代というのはそのような時代だった」
— 本屋プラグ📘🕊 (@books_plug) 2023年6月29日
(『ブックオフ大学ぶらぶら学部』p127)
ブックオフもここ数年で、エモい平成文化になりましたね📖 pic.twitter.com/soriEBwj0w
心ある出版社や編集者や著者には腹立たしいことだったのは間違いない。
東野圭吾さんが、『あなたがその著者の本が本当に好きならば絶対にブックオフで買わないでください、著者を応援することにはなりませんから』と何かに書いてるのを読んだことがある。
しかし、そんなブックオフですらもはや中古本には魅力を感じてないことは実際の店舗を覗くとよく分かるし、ブックオフが中古本を仕入れるのは、
立ち読み客を呼び込むことで店舗内の賑わいを演出できるからで、最終的には古紙として処分することで利益を出せるからということも多くの人が知ってることだ。
中古市場や転売市場が活性化するのは、格差の拡大が関係するのも間違いないだろうが、それ以上に市場に出回る商品がどれもこれも実質的にジャンクだからだ。
ジャンク化は賞味期限の短さであり陳腐化の早さによって起きている。
ジャンク化は人にも及んでいるのは間違いない。
企画やプレゼンの積み重ねから生まれるものほどジャンクになってるような気がする。
ジャンク化させないために何が必要か、どうすれば良いのかを、一生懸命同じ顔ぶれで考えてる業界ほどジャンク化を避けることは難しいはず。
ジャンク化の加速はどうやったら止まるのか?