今まで断片的には見ていたことが一つにつながったという話。
本当は写真でも撮ってれば良かったのだが、一つにつながるまで時間が掛かったので、今更撮っても何も伝わらないと思い撮ってない。
近所に大きな池があるが、その横にある公園にいたところ、バシャッバシャッと立て続けに水の音がする。
魚が飛び跳ねて着水するような音ではなく、鳥が翼で水を叩いているのかなと感じた。
公園からは池の様子を見れないので池の辺りまで行ったら、30羽ほどのカワウがいて、そのうちの何羽かが交互に水面で羽をバタバタと動かして水面を叩いたりしていた。
少し離れた所ではわたしと同じようにカワウの様子を見ている小学生くらいの女の子が二人いた。
やっぱりカワウの行動が気になるのだろう。
しばらく見てると、水面に脚で波紋を残しながら飛び立つカワウが出始めた。
その一方で、大きく羽ばたくだけで飛び立たないカワウもいれば、相変わらず水面を羽で叩くだけのカワウもいる。
飛び立ったカワウは池の上を旋回した後で池の中にある小島に着地している。
何の意味があるのか、何かのコミュニケーションなのかは分からないが、カワウのこのような行動はこれまでも見たことはあったが、せいぜい2〜3羽でだった。
ふと気付くと、池の上に残ってるカワウは5羽になっていた。
そのうちの数羽は羽ばたきを繰り返したり、水面を羽で叩いたりを繰り返すが、まったく羽を動かさないカワウもいた。
最初に見始めてから30分くらい経過していた。
この段階になって初めて気付いたのが、これは水面から飛び立つ練習をしてるのだ、ということだった。
正確なことは分からないが、きっとそうに違いないと思った。
全部で30羽ほどいた中には、親や大人のカワウもいて飛び方を見せていたのだろう。
水面をバシャッと叩いていたカワウは羽の使い方がまだ上手ではないのだろう、とつながった。
気が付くと、飛び立たないというか飛び立てないカワウは2羽になっていた。
この2羽は羽ばたきのポーズもしない。
わたしの脳内では一茶の『痩せガエル負けるな一茶これにあり』という句が流れていた。
この2羽は、徐々にわたしからは遠ざかり始めて目で追いかけるのも辛くなり始めた頃、少し目を離していたら1羽がいなくなった、飛び立つような音や気配はなかったので、水に潜って小島に向かったのかなと思った。
最後の1匹をずっと追いかけていたが、気が付くと小島のすぐ近くまで移動していた。
今日は飛び立つことを諦めたのだろう。
すでに西日になっていて、日暮れもそう遠くない。
今日飛び立てたカワウも飛び立てなかったカワウも、まだしばらく練習は続くのだろう。
わたしが見たのはカワウの学校の授業風景だったのだ。
昨日の話。