究極のキャッシュレスを思わせた仮想通貨は、世界的な大盛り上がりから5年が経過した現在では、実体経済には何の貢献もしないし大した影響力も無さそうな様相だ。
仮想通貨は暗号資産などとも呼ばれている。
通貨や資産における仮想や暗号と、IT界(データの取り扱い)における仮想化やクラウドはよく似ている。
通貨や資産における仮想や暗号とは違い、IT界の仮想化やクラウドは実体経済に大きく貢献している。
この両者は、発想のレベルでは大した違いはないので技術レベルでは同時並行の発展をしてたはず。
違いがあるとすれば、通貨や資産に関しては既に確立しているキャッシュをベースとした強い競合が存在してるのに対し、IT界の仮想化やクラウドは既存の競合が無いもしくは弱いという点だ。
この場合の競合には心理的な抵抗も大きく関係する。
人間相手に展開する場合、便利だとか効率的であるということを全面に打ち出すだけでは普及はしない。
使ってる方がカッコいいとか気分が良いという、積極的に感情を後押しするような要素こそが重要になる。
この場合、儲かりそうというのは強そうでいて大して強くない。
心理的な抵抗とは心のブレーキ。
ブレーキは、速く走るためにも安全に走るためにも必要だが、大前提としては必要なタイミングで必要なだけ使うことこそが重要で、必要以上に使うことは賢くはない。
ブレーキを必要なタイミングで必要なだけ使うということは、経験を通して上手になるしかない。
未熟な時であればアドバイスを受けるということ有効だが、アドバイスだけで上手くなることはない。
アドバイスをしたり教えたりする人のことを最近では教え魔と呼ぶようだが、その一方で自ら考えたり経験することなく答えだけを求める人も増える一方。
心理的な抵抗と言えば、ガソリン車かEVかもそうだろう。
誰だって自分が正しい選択をしたと思いたい、選択肢の境目には壁がある。
いわゆるバカの壁であり、そういうところには必ず心理的な抵抗が存在している。