3年前のベストセラーだったスマホ脳(アンデシュ・ハンセン著)を読み返していて、当時はスマホをデジタルの象徴として読んでいたことに気付いた。
文中でもスティーブ・ジョブズが自分の子供にはiPadを使わせなかったことが書かれていたから。
しかし、読み返していて思ったのはスマホというサイズ感が問題のような気がしてきた。
片手で持て、片手でも操作できるというサイズ感。
そんな思いを後押しするような記事が出ていた。
スマホ操作、15~24歳女性の半数が「フリック入力」 ガラケー世代は敬遠傾向
この記事を読んだ人のTwitter上での発言にはさまざまあり、「8割以上じゃないの?」や「フリック入力以外にあり得ない」や「ローマ字入力の方が早い」などが目立っていた。
この記事に対する反応は、文字入力への反応だったり、どういう環境で入力してるのかという前提の統一ができてない自説が多いようだが、大袈裟に捉えるなら脳活動の世代間ギャップが生じてるように感じられた。
この記事でガラケー世代と書かれてる人にはさまざまな人がいるだろうが、ガラケー世代にとってはデジタルの基本はPCだからキーボードを使う。
キーボードを使う日本人にとっての設定上の選択は大きく二つで、かな入力かローマ字入力か。
今フリック入力を多用する人の中にはデジタルデバイスのスタートがスマホという人が多いかもしれないし、中にはスマホしか知らないという人も少なくないかもしれない。
そういえばと思い出したのがコロナ前の頃の新入社員にキーボードが打てない人が増えているという話。
おそらく、入社前の生活環境でPCとの接点がないという層が出現していたのだろう、当時の記事ではPC離れなどと銘打たれていた。
たかがデジタルデバイスの文字入力だが、スマホにしか馴染めない人とデジタルに馴染めてる人の間には大きな壁というか溝ができてるように感じる。
接してる情報には大差なくても、この文字入力に関する差が脳活動や思考に大きく影響してるかもしれないと思えてくる。
PCの登場と普及で日常生活で文字を手書きすることが極端に減った人が増えた。
手書きが減ったことで大きな脳の劣化を招いているという指摘もある。
確実に知識は増えてるはずだが、脳が劣化してるかもしれないというのは興味深い。
スマホネイティブでも受験勉強をやってるような子は手書きの頻度は高いだろうが、そうではない子は手書きもしないし物理キーボードも打たないとなると、さらに脳だって変化するはずだ。
一体どうなることやら?