※ 追記あり 南海トラフ秒読み段階に!
現代社会を支える裏方で重要なのがエネルギーだ。
多くの人にとって、目に見えるのは自分が消費した分だけだろう。
電気代、ガス代、ガソリン代くらいだろう。
東日本大震災での福島第一原発の事故以来、日本では基本原発が止まっている。
つまり、原発の発電量が減った分を火力発電が代替してる。
日本の消費するエネルギーの殆どが化石燃料や石炭に戻ったということだ。
ほぼすべてが輸入に頼ってる。
日本各地に、工業地帯やコンビナートがあり、化石燃料の精製や貯蔵の施設がそれぞれの地域に分散している。
これから起こることが予想されてる南海トラフ巨大地震が起きると、石油がヤバイかもと言うことを書いてみたい。
以下引用した画像の出典は下記
全国に散らばってるコンビナート。
阪神大震災では、
「危険物においては、火災や大規模な漏えい等の大きな被害は発生しなかったが、屋外貯蔵タンクの不等沈下に伴う傾斜や配管から漏えい、防油堤に亀裂や割れが生じる等の被害が発生した」とある。
出典:阪神・淡路大震災の概要と被害状況
東日本大震災では、9つのコンビナートが被害を受けた。
南海トラフ巨大地震で、被害が想定される地域は、
被害想定地域に存在するコンビナートの数がすごく多い。
報道を通じて見てると、東日本大震災の時の東京湾内への影響は、あまり大きくは伝えられてなかったようだったが津波は来ていた。
地図で見る限り、房総半島がブロックし、東京湾には津波は来ないようにも見えるが、実際には来た。
南海トラフの場合、震源がどこかで全く違うだろう。
震源が陸に近いと、震度は大きくても津波の影響範囲は限定的かも知れないが、震源が沖合だと、震度は多少小さくなるだろうが、津波の影響範囲が格段に広くなるような気がする。
瀬戸内海などにも回り込むかもしれない。
そして、個人的に一番心配なのは鹿児島の喜入(きいれ)だ。
喜入には、一回行ったことがありインパクトがあったので気になる場所だ。
喜入には注目すべき特殊性がある。
日本に原油を運んでくる30万トンクラスの大型タンカーは、ほぼすべてが喜入で原油を下ろし、別の小型のタンカーに移し替えて、各地に運ばれる。
喜入が唯一の存在としてこの役目を担っているのは、大型タンカーが接岸するための条件を各地の港に整備することが困難なことと、大型タンカーの航行距離を短くする方がコスト面で有利だからだ。
南海トラフ巨大地震で大津波が発生し、喜入が打撃を受けたら石油が一気に供給不足になる恐れがある。
産油国から来た大型タンカーを受け入れられなくなる。
そうなると、
- 備蓄の放出で補う
- 喜入の整備を行う(どれだけ時間がかかるかが課題)
- 小型のタンカーをフル稼働で産油国からピストン輸送
上記で小型と書いたが10万トンクラスを意味するので全長で250mクラス。
見た目は全然小型じゃない。
もちろん30万トンクラスでも、満載しないで喫水を浅くすれば喜入以外に入って行くことも可能。
東日本大震災の時、西日本では大きな影響はなかった。
多少物不足になったくらいだ。
映像で見るコンビナートの爆発火災はインパクトがあったが、石油の供給ラインの枝の部分で起きた出来事だった。
喜入がダメージを受けると、それは幹がダメージを受けることを意味する。
日本全体で影響が出るだろう。
南海トラフ巨大地震の影響がとてつもなくなることは既に言われてるが、喜入を特に重要視するものが無かったので話題にしてみた。
実際のシミュレーションで、大したことなさそうだから触れられてないのだったら良いが、触れるのが怖いから無かったことにしてるだけだったら恐ろしい。
でも、南海トラフ巨大地震の影響は九州から関東に及ぶと見積もられてるので、代替施設も造りようがないかも。
改めて地図を見ると、喜入って被害が小さく抑えられそうな場所にも見える。
他の地域に喜入のような施設があったら、もっとモロにダメージを受けそうだ。