9月にキャッシュレス社会というエントリーを書いた。
その中でキャッシュレスは銀行機能と価値観が対立すると書いた。
今日は、もう少し掘り下げてみたい。
現金か、キャッシュレスか、を巡る話の前提には銀行の弱体化があり、その弱体化は融資業務が伸びないことにある。
銀行は、その活路を手数料ビジネスに見出そうとしている。
銀行の手数料の要は送金手数料であり銀行だけの特権だったが、金融ビッグバンで銀行は保険商品や投資商品の代理店として手数料ビジネスに参入し始めたのが20世紀終了間際から。
私の目には、銀行とキャッシュレスは相性が悪いと思っていたが、銀行はキャッシュレスも利用しようと躍起になっているという話が伝わってくる。
犯罪対策を理由に、ATMの出金額が厳しくなったり、
— Kyosuke2018 (@siri1190) August 26, 2018
不便になっているけど、
金融犯罪対策は建前で、キャッシュレス社会へ誘導するための仕掛け、
が本音だよね。
現に、振り込め詐欺、全然減ってないもん。
相性が良くなさそうなキャッシュレスに銀行が参入せざるを得ないのは、手数料ビジネスにおける既得権を失いたくないからだろうが、手数料を巡ってはクレジットカード業界というライバルがいる。
【決済革命】(4)大手銀・クレカに危機感 企業視点の主導権・縄張り争い
これまで100万円を超える送金は銀行のみに認められてきたが、「異業種に牙城を崩されると収益への打撃は大きい。主導権は渡したくない」(大手銀関係者)と危機感を強める。
「築き上げた加盟店網の強みがあっても危機感は強い」(カード大手幹部)のが現状で、QRコード決済や生体認証など新たな決済手段の開発も進める。本業のクレカと共食いする恐れはあるが、クレカの決済手数料を一気に引き下げるのは難しく、顧客を失いかねないからだ。
世耕経済産業相は10月19日、記者会見において突如、クレジットカード会社に対し、手数料の引き下げを要請する考えを明らかにした。世耕氏は「日本はキャッシュレス対応が遅れている」とし、その理由のひとつとして「手数料負担の重さ」に言及。消費増税対策として議論されているカード利用者へのポイント還元策と平行し、手数料の引き下げ措置が必要との考えを示した。
日本でのキャッシュレス社会は、誰をターゲットにし展開されているのか、はたまたその際の課題をどう捉えているのだろうか?
極端な意見は、なかなか深イイ話に思える。
「カード手数料に上限」世耕弘成氏の発言を巡りクレカ業界が騒然 #ldnews https://t.co/26QMrkBfoF ←頭の悪い記者だな。今、キャッシュレスの人は、どうでも良いのよ。俺みたいな現金払いの人を取り込む為に発言してるんだよ。俺は、まだまだ現金で行くよ(笑)
— あ (@_precure_) October 31, 2018
何がパンドラなのかよく分からなかったが、内容は業界関係者であれば既知。政府はキャッシュレスを推進したいなら、民間への口出しの前に現金禁止とかの政策やるべきかと。
— Tsucchy (@ak_tsuchiya) October 31, 2018
キャッシュレス推進政策が開けたクレカ業界の「パンドラの箱」 https://t.co/46b9fDdGCQ #現代ビジネス
クレカの世界は「軍拡競争」の様相を呈しています。各社莫大な先行投資をしてより巧妙に、より多くカードユーザーから「むしる」テクを競っています。その頂点に君臨するのがJPモルガン・チェースのサファイア・カード。ダイナースはITがショボイので魅力あるサービスオファリングができてない。
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) December 2, 2018
クレジットカード会社にいると、最近は「〜ペイ」しか聞こえてこない。
— 花凛 (@KRScwVm6Lindizq) December 1, 2018
カード会社はこの裏で、一番美味しい思いをしてるんだが…
画像引用:エコノミスト 2018.10.9#キャッシュレス社会 #QRコード決済 #スマホ決済 pic.twitter.com/FnkHN4ch7v
私は他人と同じことを嫌がる傾向があるので、大勢の人が「〇〇は良いよ」というものにはケチをつけたくなることがある。
そういう目でキャッシュレスを見ると、アンチな意見を拾い上げたくなる、エビデンスなんかクソ食らえの感情論に近いかもしれない。
いまアメリカでサイコーにイケてるFIREムーブメントの連中なんかは現金払い主義やで(笑)
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) December 2, 2018
シンガポールがキャッシュレスに本腰と記事では書いているけど、未だにHawker等現金が必要なことは結構多く、Suicaが使える日本より現金が必要な印象。シンガポール政府が本当に本気になったらもっと厳しいルールを課すと思うんだけどな。
— Keni (@Keni_Orange) December 2, 2018
便利な点ばかりが強調されるキャッシュレスだが、問題点はどこか?
今年の夏の北海道地震での全道停電のようなことがあると、
IT業界に身を置いてるけど、何でもオンライン・・・って状況は良くないって思ってるんですよね。オフラインでの正常動作を担保するのも重要です。
— アミノ酸@組み込み系プログラム担当 (@amino_san) September 10, 2018
災害時に弱いキャッシュレス社会、現金が重要に。セイコーマートの事例より(久保田博幸) - Y!ニュース https://t.co/zV7eqepKRv
リンク先の記事には、こう書いてある。
日銀は今回の北海道での地震の際に、「北海道胆振地方中東部を震源とする地震にかかる災害に対する金融上の措置について」というペーパーを発表し、金融機関(銀行、信用金庫、信用組合等)への要請として、預金証書、通帳を紛失した場合でも、災害被災者の被災状況等を踏まえた確認方法をもって預金者であることを確認して払戻しに応ずることとした。もちろんこの払い出しとは、必要となる現金のことである。
しかし、そんな事以前の問題として上げられてることが、
今朝のNHKの週間ニュース深読みで、キャッシュレス社会の話題を放送していましたが、キャッシュレスの社会が進み過ぎると、お金の大切さや、ありがたか、お金を稼ぐ事の大変さが感じにくくなり、子供の教育上良くないとの意見があったが、その通りだと思った。
— 高校野球とBリーグが好きな大阪人 (@Y2IkIonqCbUFzgu) December 9, 2017
お金に限らず物はなるべく目に見える形で自分の手で管理しないと安心できない性格だから、キャッシュレス社会が進んでいる推奨すべき世の中だとは全く思わない。
— うどん屋さん (@udon_kk) November 28, 2017
お金は現金として自分の手で管理したい。銀行に預けてるのも本当は気分良くない程度には。
便利なものや仕組みやシステムは、確実に身についてる価値観や、持っている能力や判断力の一部を奪うだろう。
そういうトレードオフがあることに、一番気付かなければいけない人々が、キャッシュレス社会を歓迎してるように思えてしょうがない。
世論調査の結果、スウェーデン人の7割はキャッシュレス社会を歓迎していないことが判った。キャッシュの存続を望む声は高齢者に多かったが、若年層も過半数はキャッシュがあった方が良い、と#スウェーデン #北欧 #キャッシュレス #電子マネー #暗号通貨 #ビットコインhttps://t.co/AjZgymiJe5
— 北欧の理想と現実 (@yasemete) March 23, 2018
キャッシュレス化は歓迎だし現金払いダセーと思い始めているが、もし自分が完全キャッシュレス社会で生まれていたら、現金払いカッケーと思う人間になっていそう
— 人間医師 (@numezou) January 31, 2018
あなたは現金派、それともキャッシュレス派?
この質問の答は、人物判断の材料としておもしろいと思っている。