アメリカの大統領選が大詰めに入っている。
すでに期日前投票(郵便投票を含む)を終えた有権者が5000万人に達していて、最終的には有権者の65%にあたる1億5000万人が投票するとみられている。
これは過去最高になるらしい。
期日前投票の勢いは前回2016年の大統領選の8倍らしい。
日本人からするとおじいちゃん同士の争いにしか見えてないかもしれないが、アメリカは盛り上がっているのだ、いや盛り上がっていると言うよりも強い危機感で溢れているのだ。
4年前の今頃は、もしかしたらトランプ氏が大番狂わせで大統領になるかもしれないという気配が漂い始めていた。
識者は、トランプ大統領が誕生したらアメリカや世界はこう変わるだろうということを話題にし始めていた。
アメリカンドリームの国であるアメリカでは格差は本来は悪いことではないのだが、肝心のアメリカンドリームがアメリカでも実現がただの夢物語で過去のものになっていると言うことを指摘している話を読んだのが2015年だったと記憶している。
そうなると格差の下位に位置する人にとって格差は、励みにはならず不満にしかならなくなる。
格差は流動化させられると思えばこそ頑張れるのに、固定化されるならば意欲は削がれるのは当然だ。
2016年の大統領選の争点はここにあったのだ。
トランプ氏は『金持ちをぶっ壊す』とアピールして大統領になったのだ。
だからこそ格差の下位に甘んじていた人々の支持を受けたし、トランプ氏に投票した人々の多くは従来だったら投票すらしないとされていた層でもあるのだ。
トランプ氏にとっての仮想敵はウォール街だと言われていた。
攻撃的な口調で持論を展開するトランプ氏だがその本質は『金持ち喧嘩せず』だと言う人もいる。
世界の警察を自認していたアメリカが、アメリカを頼っていた国に対して『自分で頑張れ』と突き放したり、それを儲けのネタにしようとするのは政策というより性格の現れだと見る方が的を射てるはずだ。
さて、こうやって振り返ると大判狂わせはやっぱりコロナに尽きるのだ。
まだまだコロナは現在進行形なので総括することはできないが、コロナは格差社会の上位から下位にまで様々な影響を与えている。
このことが固定化しつつあった格差に流動性をもたらすのだろうか?
格差の流動化は、縮小や拡大という形で起きるのか、はたまた下克上が起きるのか、アメリカの大統領選の結果はそういうことにも影響を及ぼすのだろうと考えると終盤戦を楽しめるかもしれない。