水も空気もタダとはよく言うが、
水は随分前からタダではないし、
気が付いたら店で買う商品になってしまった。
曖昧だが、空気を変えるという意味で、
マイナスイオンが注目されたのが
2000年頃だったと記憶。
個人的に少し興味がありいろいろな文献を図書館で借りたりしていた。
ほぼ結論的には民間伝承の生活の知恵的な発想で裏付けは乏しいが、経験的に良さそうだからと受け継がれてるものとの思いに至った頃、有名大手メーカーからマイナスイオンドライヤーが発売された。
このことで、怪しげな商品からワンランク格が上がったような気がしていた。
この頃のマイナスイオンはちょっとした注目を浴びていて、医療用の高額な治療器といういかがわしいものから、百円ショップでも売ってるトルマリンをお風呂に入れたりシャワーヘッドに入れるとお湯の質が変わるなどと言われていた。
さらに車用のチューニング商品としてガソリンやエアークリーナから取り入れる空気を改質してパワーアップを図るという商品も出ていた。
空気や水など触れるものに作用し良い効果をもたらすとされていたのだ。
そんな頃から20年が経過。
わたしにとってマイナスイオンイコール新鮮な空気となっていた。
新鮮な空気イコール外気で、例外はあるが窓があれば窓を開ける、これがわたしのスタイルとなった。
一方で、世間では高気密高断熱構造が浸透し、車でも建物でも窓を閉めてエアコンに頼るという生活スタイルはますます普及していた。
外気は汚れてるという先入観も大きかったのかもしれない。
そんなところにコロナが登場し、外気導入や換気が生活の合言葉になるようになった。
空気清浄機も大活躍だ。
この空気清浄機をありがたがる雰囲気がかつてのマイナスイオンブームと重なるのだ。
次のツイートは広告なのだが、内容には共感できる。
コロナ禍で注目されるようになったものといえば「空気の質」。「空気のあり方は、人の疲労度や作業の生産性、味の感じ方まで左右します」そう語るのは、空気について長年研究を続けるダイキンの研究者です。彼らが考える「付加価値の高い空気」について、話を聞きました。【プロモーション】
— 東洋経済オンライン (@Toyokeizai) 2021年9月24日
空気を追究する意義をこう語った。
「人の幸せ、ウェルビーイングには、空気質が深く関わっています。幸福度を上げるためには、空気の追究が不可欠なんです」
コロナのせいで人間活動が自粛に追い込まれると、世界中で空気が綺麗になったと話題になっていた。
水が澄み、山が見えた 新型コロナで「環境は自分の手で改善できる」を学んだ私たち
ウェザーニューズが実際の写真から分析した日本の空の色。かすみがかっていた昨年3月と比べ、外出自粛が進んだコロナ禍の今年3月は、青色が濃くなった(同社提供)
コロナで何が変わったのか、人それぞれに思うことは違うだろう。
あまり指摘する人はいないような気がするが、コロナは意識という空気を変え、その結果、水とは違い、間違いなくタダだったはずの空気がコストをかけるべき存在になりつつあるのだ。
今でも身近に美味しい空気があり、それがタダで、当分それが享受できそうならば、間違いなく幸せだ。
そんなことが幸せだなんて思えないかもしれないが。