夏の高校野球に関しては、丸刈りの強制が良くないとか、猛暑の中でプレーさせるのはいかがなものかという話が、時代の変化を感じさせるが、高校野球に関する時代の変化には他にもある。
昨年の夏、仙台育英が夏の甲子園で優勝した際に見出しを飾ったのは『優勝旗が初めて白河の関を越えた』だった。
東北や北海道のチームは冬の間は雪に閉ざされ練習できないから雪が降らない地域とは差が付くなんて昔は思われていた。
試合の組合せは抽選で決められているのは昔からだったようだが、視聴者は自分の出身地に近い学校を応援する傾向があったので、一回戦では同一地方の高校の対戦は無いように組まれていると思われていた。
しかしいつの頃からか同一地域同士の対戦が一回戦からあり、どうしてと思うことが増えた。
現代だと白河の関だが、それが箱根の関だった時代もあった。
甲子園の高校野球が始まった頃は、関西には西日本の出身者が多く集まっていたらしく、それが関係してるのかもしれないが、勝敗に関しては長らく西高東低の傾向が強かったので、優勝旗が箱根を越えられないなどと言われていた時代もあったようだ。
高校野球に関してなんとなく持っている常識は年齢層によって結構違いがありそうだが、それは日本社会の変化を示してもいるのだ。
たまたまなのかそれとも必然なのか、8月17日の時点で8強の中で東北が3校残っているのに対し関西はゼロ。
高校野球には日本社会の何かが反映されている、そういう目で高校野球を見るのもおもしろい。