知らないことは考えられない、人間の宿命だ。
意見や考えを持てるのは知ってればこそ。
マスコミやメディアの中でもテレビや広告業界は知ることにおいても知らしめることにおいても大衆よりも一歩も二歩も有利な立場に立っている。
だから大衆の価値観をコントロールできるという自負が強いだろう。
ネット社会になって情報を断片的に捉えるだけなら大衆もマスコミやメディアに近づいたが、その情報を解釈したり読み解くリテラシーに関しては不利は否めない。
だからこそ、大衆はまだまだコントロールされる側にいると言える。
今勃発してるジャニーズ問題は、コントロールされる側の大衆をバカにしていたから起きたとも言える。
どうせ分かりっこないし、信じる人もいないだろうし、バレても揉み消すことは簡単だと思っていたはず。
そしてそんな構図を支えていたのは、業界に出来上がっていたヒエラルキーの存在。
ヒエラルキーの上位が下位を支配しコントロールするのは自然なことだが、それは圧力と忖度のセットで可能になる、つまり日常的には空気に従うだけだ。
今回の出来事のおもしろさは、ヒエラルキーの上位にいた者が滑って転んだことにある。
それを見て、『ずっとあなたに付いて行きます』と言っていた者が、『本当はあなたのことがずっと嫌いでした』とリアクションしたというおもしろさ。
日本では、本当はずっと嫌いなのに、甘い汁を吸うためには寄生するしかないという構図の上に成り立ってる関係性だらけだということは誰もが実感してるだろう。
ヤクザの親分子分の関係だ。
しかし、ヤクザの世界にも従来のルールに従わない半グレが紛れ込むように、嫌われてる者は嫌ってる者に狙われているのだ。
嫌ってる者が直接手を下すとは限らない。
ジャニーズ問題はBBCによって明るみに出て揉み消せなくなった。
日本国内のマスコミだったらいくらでも抑え込めたのに、BBCが動いた結果国連の人権理事委員会が動いた、その結果世界を相手にしてる大企業はジャニーズと切れなければ世界から相手にされなくなると、一気に状況が変わったのだ。
BBCが動いた背景には文春もいたので証拠は文春が収集していたのだろう、そしてそれとセットで被害者が実名で登場した。
日本国内だったら揉み消されただけだろうが、世界を相手に虚勢を張れるだけの力は今の日本にはなく、おそらく政界も怯んでジャニーズを突き放す態度に変わったはず。
今更ジャニーズでもないが、この短期間で頂点に君臨してた者がガタガタと崩れゆく様を分析することはおもしろい。
キーワード的には、使えるならば敵の敵を使え、とでもなるような気がする。