勝手に醸成される雰囲気がいわゆる空気。
そんな空気は得てして根拠が曖昧なことや勝算など全くない事へ突っ走る動機を作る。
文学や芸術を堪能する場合には良い方向に作用することも多い空気だが、理詰めな対処が必要な場合には空気は百害あって一利なし。
空気が支配する流れが止まる時に起きることを称して水が差されると呼ぶ。
この場合の水とは理性や正論のことだが、空気に勝つことは容易ではない、日本では。
山本七平が、日本では空気を打破した水が新たな空気を作ると指摘したのが1977年。
法治国家なのに善悪の基準が空気で動く。
そして、空気に従わない者には罰が下る。
この場合の罰の代表格が村八分。
つまり空気に従わない者には周りにあるコミュニケーションを断つという罰が下されるのだ。
人間関係の束縛の上にビジネスや生活を成り立たせている日本人にとってはコミュニケーションを断たれることは死にも近い苦痛だから空気に従わざるを得なくなるという循環を生むのだ。
空気が支配力を強めると弱まるものが三つある。
- データや科学
- 自由
- 本音の理念や価値観の共有
因みに調理で茹でてる際に行う差水の効果をChatGPTに聞いたら以下の五点を挙げた。
- 加熱をコントロール
- 余分な塩や苦味を取り除く
- 色を鮮明に保つ
- 食材の形状を保つ
- 早く調理を終える
調理における差水と空気に水を差すことにはきっと共通点があるはず。
水を差すことで無くなるコミュニケーションなんてむしろ無くなった方が良いかもしれない。
加熱気味の空気には積極的に水を差そう。