昨日放送のNHKプロフェッショナル仕事の流儀ではいわゆるスーパードクターが取り上げられていた。
損傷した体の一部を前例なき移植手術で次々とよみがえらせてきた再建外科医・山本匠(41)切断された手足や失われた乳房、リンパ浮腫。スーパーマイクロサージャリー(超微小外科手術)によって、治療の手だてがないと言われた患者たちを救ってきた。その技術を学ぼうと世界中の医師が山本の元を訪れる。かつて人見知りで空気の読めなかった少年が、傍流と言われながらも切り拓いてきた新たな道。若き天才と呼ばれる医師の素顔。
医者としては超スーパーなのだがそのスーパーっぷりには以下では触れない。
1日経過した今でも印象に残ってることばがある。
『患者にとっては1分の1』。
医者から見れば『1000分の1、10000分の1かもしれないが患者にとっては1分の1』。
さぞかし優しい心の持ち主だと思うかもしれないが、自分では患者に対して共感力はゼロだと言い切る。
だから患者の本当の苦しみに寄り添うなんてできないとも。
現代社会で突出したパフォーマンスを発揮する人に共通してるのがサイコパスであること、つまり共感力がなく興味があるのは自己追求のみ。
ただ、一つだけ心がけているのは例え手術の結果がどのようなものであろうと手術をやって良かったと思ってもらえること、ほんの少しでも術前よりは良くなってること、そのことで患者が十分な満足を得られなかったとしても。
必然的に患者とコミュニケーションを取るようになる、コミュニケーションを取っても患者に共感はしないのだが、患者が何を望んでいるかは分かる。
その結果、患者の苦しみや望みは1分の1だと認識できるという流れ。
自分事に関して1分の1なのは誰でもだ。
他人事に関して1分の1の思いで接するために必要なのは共感力や思いやりではないのかもしれない。
中途半端な思いは1分の1には不向きなのかもしれない。