メラビアンの法則によると人間が得る情報の割合は、
①55%が視覚情報
②38%が聴覚情報
③7%が言語情報
と、されている。
①を拡大解釈すると人間の評価は顔や外見が55%、
②を拡大解釈すると人間の評価は声やしゃべりが38%、
残りはわずか7%に過ぎないが、自分の評価を高めたいと考える人の多くは残り7%に膨大なエネルギーを割いていることだろう。
身も蓋も無いように感じるとともに、何となく世間の動きや反応をズバリと示しているようにも感じる。
美容やファッションや整形が重要なテーマになるのはちゃんとした理由があるのだ。
メラビアンの法則が普遍的だとするならば、それを悪用して情報操作するケースだって少なくないはず。
すぐに頭に浮かんだのが、アンケートと称する調査や、やはり調査に基づく各種のランキングだ。
日本における最大のアンケートは国勢調査の際に行われているものになるだろう。
積極的に嘘を答えてるとは思わないが、適当に答えてるケースは多いはず。
その結果浮かび上がる日本人像を知っても、『だから何?』としか思わないが、ビジネス上のプレゼンに都合よく使えそうなデータだと思えば『国勢調査の結果はこう出てます』と自信満々だろうし、プレゼンを受ける側も『ふ〜ん、なるほどね』と思ってしまうだろう。
これなどはまだ良心的な活用だろう。
大学の偏差値ランキングは大手予備校の模試の膨大なサンプルなどがあるからランキングの信憑性は高いだろうが、表示される偏差値自体の変動やバラツキはとても大きい。
これが大学や学部の人気ランキングや就職に強いランキングとなると信憑性はどうだろうか。
住みたい街ランキングなんていうのもあり、自分に縁のあるまちが高く評価されると嬉しいし、以前より落ちたりすると残念だったり悔しかったりしてしまわないだろうか?
具体的にランキングとして表示されその理由が表現されると、実際の調査がどのようなものかもよく分からないし、調査者が住んで生活したわけではないことが明らかであっても、反論が困難な既成事実になりやすい。
高く持ち上げられたり、ひどく落とされたりするのが最近ではタワーマンションであることは多くの人が気付いているだろう。
ビジネスの世界では、評価が高いだけでは一流にはなれない。
評価の高さと同じくらい嫌いという意見があることも重要なのだ。
嫌いなのは、妬みややきもちであることが多いからで、それは購入者の自尊心をくすぐるので購入意欲や購入後の満足を高める効果がある。
一見バラエティネタのような各種のランキングやアンケート結果は、今や人の心を意図的に惑わせるように作られていると思った方が良いはず。
膨大な情報が日常を飛び交ってるが、そんな情報の中からランキング形式の情報や独自のアンケートに基づく情報を意識的に外していくと、心穏やかになれるかもしれない。
これはこれで情報リテラシー!