違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

『より近く、よりゆっくり、より寛容に』

5月末にリアリティのある不景気なネタが妙に目についたのでちょっと集めてみた。

 

リーマンショック前と酷似? 世界経済3つの「不気味なサイン」 2018/5/30

世界の景気は約10年周期で危機を迎えてきた。1987年のブラックマンデー、1997年のアジア通貨危機、そして2008年のリーマンショック。それから10年が過ぎた今、市場に“いつ暴落してもおかしくない”という空気が広がっているのはある意味“セオリー通り”といえるでしょう」

 

 

 

ゴルフ場倒産リーマン超え 若者離れ、接待交際費カット 2018/5/30

日本ゴルフ場経営者協会は「健康経営」に力を入れる企業と提携し、若手従業員の健康増進のためゴルフを役立てられないかと検討中だ。

 

 だが、帝国データバンク担当者は「リオデジャネイロ五輪でもゴルフ競技は採用されたが人気回復には至らなかった。東京五輪の効果も限定的だろう」と悲観的な見方を示している。

 

 

日本が良い状態にないことは、多くの日本人が感じてるだろう。

 

しかし、良くないのは日本だけではなく、先進国はどこも似たようなもの。

 

ただ、どこが見えてるかで受ける印象は大きく変わる。

 

237社で働いたスーパー派遣女性「大企業は人材崩壊してる」 2018/5/29

「もう人材崩壊ですね。派遣で経費削減だけ考えていたがために、会社の根幹部分が崩壊してる。最近、私は基幹システムばかりやってるのですが、会社の核となる大事な情報が詰まっているメインフレームやサーバーのデータの内容や構造を知ってる人は社員で誰もいないってこともある。

 

 

 

日本の大きな特徴は、すべてのコストが下がっていること。

 

だから、物価も下がるし、給料も下がる。

 

給料を上げるためには、物価が上がるほうが先だと自称賢い人々は考えたがるため、物価を上げようと躍起になるが、日本では物価が上がらない

 

コーヒー1杯韓国5000ウォンvs日本3000ウォン…日本学者が見た韓国経済の異常兆候 2018/5/30  

 

日本の状況は、

 

日本国内で雇用が増えて失業率が低くなる現象に対しても青島氏の評価は批判的だ。青島氏は「引退後の再雇用形態である60歳以上の再就職比率が非常に高い」とし「前年に比べて就業者数が40万~50万人程度増加しているが、その中身を見てみると60歳以上の再雇用率が高いため、アベノミクスが実質的な雇用指標改善につながっているとは考えにくい微妙な状況だ」と答えた。

 

日本に比べて物価が10%〜30%高い韓国の状況は、

 

  28日、中央日報とのインタビューに応じた青島氏は「生活物価が非常に高くなった」とし「韓国の年3%経済成長率は日本と比べて低い数値ではないが、こんなにも体感景気が悪いと思わなかった」と述べた。 

 

物価の高い国として韓国を引き合いに出すのは説得力が弱いかもしれないが、

 

解決策はないのだろうか。この質問に青島氏は少し悩んでから回答を提示した。「不確実性に対する投資を回避するべきではない。企業内に蓄積している資金を未来に投資しなければならない」とし「皆が『スペースX』(民間宇宙探査船)を作り出したイーロン・マスクのような最高経営責任者になれというわけではないが、政府でも企業でも、資金が未来のための投資財源に回るように構造をしっかりと組むことが最も重要」と述べた。

 

 

不確実性が、不安や心配であることは誰でも同じだとして、大事なことは、それを踏まえてどう行動すれば良いのかだ。

 

上記の記事では、未来に投資することが重要だとまとめているが、これとは正反対の考えを紹介したい。

 

 

 

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 (集英社新書)

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近代の理念を支えたのは、「より遠く、より速く、より合理的に」だったが、現代ではそれが限界に達したと考える意見も増えてきている。

 

例えば、給料を上げるために物価を上げれば良いと考えるのが"近代的"で、その手法が"現代"には通用しないとすれば、物価を上げようとすると物価が上がる韓国や西欧の先進国よりも、物価を上げようとしても物価が上がらない日本の方が一歩時代をリードしてると言えるのかもしれない。

 

日本で長年続く、ゼロ金利、ゼロ成長、ゼロインフレは、間違いなく未来の世界の経済学の教科書に載るであろう事実なのだ。

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http://kame-no-ayumi.com/2016/12/11/interest-rate-transition/

 

 

 

日本はどの国よりも先に問題に直面してるとすれば、活路を見出す方法は、従来の180度反対の価値観に頼るしか無い。

 

『より近く、よりゆっくり、より寛容に』

 

現代人は、病院で生まれ、病院で死ぬ人間が多い。

 

元気に生きてるつもりでも、持っている価値観は"病院的"かもしれない。

 

人間は、もともとは、家で生まれ、家で死ぬ生き物だとすると、本来の人間には"家的"な価値観の方が似合うのかもしれない。

 

病院的とは、客観的であり、学問的であり、相対的であり、満足することが大事。

 

家的とは、主観的であり、芸術的であり、絶対性を求め、納得することが大事。

 

未来に投資するというのは耳心地が良いが、病院的な発想だと感じる。

 

投資という言葉にピンとこない方には、水野和夫先生の話は心に染みるかもしれない。