厚生労働省が副業解禁へ舵を切ったのが2018年1月。
副業が解禁になる理由としては、会社の給料はもう上がらないから、不足を感じるようなら自助努力でどうぞということだとわたしは受け取っていた。
それから1年半、『老後資金はさらに2000万円不足します』と金融庁が発表して世間を騒がせている。
昨日の議事録です。
— 蓮舫・立憲民主党(りっけん) (@renho_sha) June 11, 2019
老後に2000万必要だから「もっと働け、節約しろ、貯めろ」との金融庁報告書。
私が撤回を求めると、安倍総理は「撤回するかどうかは役所から答えさせる」と判断しませんでした。
自民党の撤回要求がなお「いまさら」です。2000万不足問題は消えません。https://t.co/6KEvncFQQj pic.twitter.com/ntu9gh3xAv
副業の解禁を打ち出したことで収入増の可能性を高めたのは、支出の増大に対処させるための対策でもあったのかもしれないと勘繰りたくなる。
将来2000万円不足するとしても、副業で補えるでしょうと満を持して金融庁は発表したのだと思えた。
しかし、世論の反発は思った以上に大きかった。
この反発の大きさは、金融庁の発表を真に受ける人が多かったと言えるとともに、金銭感覚を示している。
1960年代の日本は、10年かけて所得倍増計画を実践した。
10年かけて所得は確かに倍になったが、実は物価も倍になっていた。
所得だけが増えたイメージがあるが、何もかもが倍になっていったのだ。
実質は大した変化では無かったが、収入が確実に増えるということは気分に大きな影響を与え、社会も世間も未来を楽観視するようになった。
こういう時は、政策への反応も好意的になりやすいかもしれない。
政策のおかげで良い目に会えたと実感したら、不満や要望があれば政治への陳情で活路を見出そうとするようになる。
真面目な顔をして自分に利益誘導するためにお願いする相手が政治家だ。
陳情とは、狸と狐の化かし合いに似ている。
しかし、デフレの時代は思惑外れも増えるだろう。
金融庁が発表した2000万円不足に関しては、こんな噂もある。
金融庁の『老後に2000万不足しますよ?』は、『NISAが人気なくて売れないから、なんとかして老後のためのタンス預金を投資に回るようにしてちょうだい』という証券業界からのリクエストにうっかり答えたら大炎上したバイトテロと同レベルの馬鹿案件だと思うの。
— 図星 (@zuboc) June 11, 2019
金融庁が発表した2000万円不足の件は、その内訳などの内容にばかり目が行くが、目を向けるべきはもっと別のところにある。
金融庁のレポートの「2000万円の貯蓄が老後のために必要」の真に怒るべきポイントは実際のところ「2000万円貯蓄しなきゃいけないのかよ」ではなく、
— 紅礼 郷梨 (@gre_goriy) June 11, 2019
「え、あと30年後も40年後も50年後も、いまの金銭がそのまんまの価値で通じる、つまり、経済発展停滞状態で行く気なの、政府も官僚も」
でしょ。
金融庁の発表を聞くまでもなく、年金に対する信頼は二分していた。
年金は信用できると考える人たちの拠り所は、現在の年金制度が民間の保険よりも優れているからという点だけだ。
年金でこれだけ世間が騒ぐということは、政治のテーマとしても重要だということで、年金問題は拗らせると選挙の投票行動に影響するので、年金問題は選挙前には与党(自民党)はできることならスルーしたい話題になる。
バレたら困る!
— tomohiko888 (@tomohiko888jp) June 11, 2019
金融庁に「何でバラしたと」自民党が怒っているとか…
金融庁に「選挙前に何してくれるんだ」と自民党が怒っているとか…
金融庁に「訂正して発言をとりけせ」と自民党が怒っているとか…
バレたって
隠したって
誤魔化したって…
かわりないじゃん‼️https://t.co/38wliYQ4Pa
年金をあまり信頼してない人には、今回の金融庁の発表は何を今更なものだったが、信頼していた人達その中でも年金の信頼性を啓蒙する立場にある人達には不快な発表だっただろう。
金融庁には大臣はいないが、長官は財務省の方らしい。
だからだろうが、今回の金融庁の発表は、財務省のクーデターと一部で言われてるようだ。
間近に迫ってる次の選挙にこのクーデターがどう影響するのかしないのか?
はたまたクーデターに第二弾があるのか?
武装集団が起こすタイプのクーデターとあまりにもかけ離れてるところが日本的だが、今後の推移を見守ってみたい。