違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

『報酬』と『報酬系』が同一化する現代

報酬とは?

 

人間にとっての報酬とは一般にはお金で他には強いてあげれば名誉もあるだろうが圧倒的にお金だ。

 

動物にとっての報酬とは一般には食べ物や餌。

 

これらとは別に『脳の報酬系』というのを聞いたことがある人は多いはず。

 

脳の報酬系とはざっくりと言うと快感や満足感や達成感で人間だけでなく、哺乳類ではほぼ人間と同じ報酬系が機能してるらしいし、一部の昆虫にもあるらしい、ただ昆虫の場合に作用する報酬系は人間や哺乳類に比べるととても単純なものらしい。

 

『成長しない日本』、『上がらない給料や手取り』と言われるようになって久しいせいで報酬と報酬系がごちゃ混ぜになってるのが現代なのかもしれない。

 

あるいは、報酬のみを目的にしてる人がさまざまなストレスを受けていることも影響してるだろう。

 

つまり、強く報酬を目的とする人ほど実は代償行為としての報酬系の満足や充実を追い求めるようになっているのかもしれない。

 

多発する詐欺事件やブラック労働、末端で実行役をする者やブラック現場で従事する人々は単純に報酬を求めてだろう。

 

実行役の上にいる指示役や黒幕も直接の目的は詐欺で騙し取るお金だろうが、もしかするとそれ以上に自分が立てた作戦が上手く行くかどうかのスリルや上手く行った場合の快感という報酬系の方に惹かれて繰り返しているかもしれない。

 

一方騙される側にしても、自分だけが得をしたりラッキーを掴めると錯覚したり、あるいは苦痛や悩みを軽減できると過度な期待をすることで独り善がりな報酬系への刺激に従うことで騙されているのかもしれない。

 

報酬系への期待が過度になると、薬物中毒や依存症と全く同じになるのだが、当の本人は正しい判断をしているという思い込みが強いので反省に結びつきにくい。

 

こういう観点で世の中や世間の動きを見ると、合理的に行動してるつもりで不合理な行動をする人が後を絶たないことが納得できる。

 

政治や経済の上層部の界隈でも、社会的に成功し分別を弁えてるはずの人たちが、おかしな行動や妙な発言をすることとも無関係ではないはず。

 

このような不都合が起きるのは頭でしか考えないからだ、身体で考えるということが極端に減ってるからだ、スポーツをすれば良いというわけではない、もちろんスポーツはプラスに作用することが多いかもしれないが、それよりも快適や便利にどっぷり浸ることが合理的だと判断するようになってることの弊害だ。

 

これから先あと100日は続くであろう今年の暑い夏、きっと報酬系への刺激で人生を振り回される人がどんどん出ることだろう。

 

こんな時こそ賢く身体を使うということが自分を守るためには大事になる。

 

賢く身体を使うとは単純にスポーツを意味するわけではないということは繰り返す。