昨年から盛り上がりだしたMeToo運動や、今年に入ってから噴出するスポーツ界のハラスメントや不祥事に対する告発は、世間の人々からすると予告なく突然起こることから、暴露と感じることが多い。
暴露される内容は、一般的には、強い者の弱い者いじめだ。
だから、暴露の始まりは"窮鼠猫を噛む"と、世間の人には見えてしまう。
8月末に突然発覚した体操界のハラスメント問題。
事実関係は別にして、世間の人々の目にはどう映っていたのだろうか?
体操協会、暴力コーチを処分したら選手の会見で幹部のパワハラ暴露されてて笑った(´・ω・`) #体育会系は人類に悪い
— 蒼炎の魔王ベトマックス( ●―● ) (@zakmustang) August 29, 2018
権力を使った暴力をしてるのは体操協会の方だ、それを認めてほしいと宮川選手は訴えた。たった18歳がここまで暴露した勇気を応援したいわ。
— ペータ (@m_peta_pan6020) August 29, 2018
体操女子のパワハラ問題。お偉いさんたちは「全部嘘」だの「正義は勝つ」だの言ってるけど、元体操女子関係者もパワハラはあったと証言しているし、なんてたって18歳の女の子が勇気出して暴露したんやぞ嘘でそんな事言うわけ無いやろ
— 荒瀬やえくも@フィクサー (@Y4EKM) August 30, 2018
最初の暴露が、告発としての力を手に入れるためには、追い風が吹く必要がある。
追い風は、身内の体操界からも吹いた、大勢が支持してくれたが、やはり有名人が味方につくと強い。
池谷幸雄は…ここぞとばかりに色々暴露してるなぁ〜💦
— すうじょねこじた (@80795475a1) September 3, 2018
もし❗今回の騒動が無かったら池谷幸雄は…色々な体操界の闇を胸に閉まってたままだったのかなぁ?
ハラスメントの告発やMeTooは、「裸の王様」と同じだと感じる。
王様は裸だと皆気付いているのに、皆口々に「透明な服を着ている」と言う。
透明な服はバカには見えないと言われていたので、バカだと思われたくない人は皆「透明な服だ」と言った。
翻って、現代の暴露を考える時、『透明な服』という詭弁を躊躇なく使うための、『バカだと思われたくない』に相当する動機は何になるだろうか。
これは、ゲスな言い方をすると、おこぼれに預かりたいという気持ちだろう。
その前提として、そこに権力が存在していて、その権力の大きさを過大評価するという錯覚が働いているからだろう。
錯覚については、この本がうまく説明している。
世の中には、おこぼれに満足するだけで終わる人と、おこぼれと引き換えにトレードオフしてるものに気付く人がいる。
いずれにしても、おこぼれに預かっていたという意味では共犯関係になるので、関係を清算するためには、キッカケやタイミングが大事になる。
そういう意味では、今年はキッカケやタイミングが掴みやすいと言えるだろう。
日本の体操界では、ハラスメントと言えばパワハラのようだが、アメリカではセクハラのようだ。
その通りですね。US体操チームのオリンピック・メダリストが、MeTooで、チームの医師から未成年のころから長年、性的虐待を受けていたことを暴露し、医師はそれを認めた。筋力でいえば彼女たちのほうが男性医師よりも瞬発力に優れ勝っていたかもしれませんが、そういう問題ではないんですよね。 https://t.co/j9L2maWuMp
— TrinityNYC (@TrinityNYC) December 21, 2017
ところで、MeToo以降の数々の暴露案件を見ていると、本来の暴露の反対語は隠蔽なのだが、実態的には、反対語は詭弁になるような気がする。
暴露の反対語を詭弁と捉えると、一気に政治色が強くなる。
ウィキリークス、企業関係の内部告発資料も公開へ⇒http://bit.ly/gGR8WA 国民の知る権利と、暴露されたくない権力者の戦いが始まった。国家機密とは、国民を守るための言葉ではなく、権力者を守るための詭弁だ。企業の経営者が使う極秘とは、権力者を守るために使う言葉だ。
— 綿引隆一 (@satama) December 3, 2010
そもそも、「言論」というものはそれがどれだけ詭弁でも、「正論」によって簡単に「暴露」されてしまします。
— 尊沢和尚@政令指定都市に騙された!! (@momoyazaasai) April 9, 2018
その時私はこう言うようにしています。「京都大学を舐めるな!!」 https://t.co/JbsP5Q4hs2
「裸の王様」の話は、単なる童話だと思っている人の多くが、現代でも無意識の内に、自分のビジネスに関する世界では、「あの方は、透明な服を御召になっている」と躊躇せず使っているはずだ。
落合博満氏
— 🌏Black Jack (@JZXVGW) September 3, 2018
「(中日の暴力を一掃するまで)丸5年かかりました。こんな簡単なことが。120人くらいの所帯ですよ。何千人、何万人いるのではなく」
「パワハラがありませんといえる時代は、私たちが生きている間には訪れないと思っていた方がいい。時間がかかる難しい問題」https://t.co/3eAQRCC35N
もしできるならば、裸の人を見て、「透明な服を着ている」と本気で言う人とは付き合わない方が良いし、そういう人が身近に多い場合は、環境を変えるべきだろう。