Netflixで話題の『地面師たち』。
主人公ではないが、実質的な主役はハリソン山中。
演じているのは豊川悦司さん。
『地面師たち』の魅力というか魔力はハリソン山中が醸し出している。
わたしはドラマを見ることはなく原作を読んだ。
予備知識として絶対的だったのはハリソン山中が豊川悦司という点で、それがすべてだった。
読んだ後で、著者の新庄耕にも魅力を感じるようになっていた。
そんな新庄耕さんが「自分には絶対書けない」と薦めている本に麻布競馬場(著者)の『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』があることを知った。
いわゆるタワマン文学らしい、タワマン文学と呼ばれるジャンルがあることは知っていたが、こういうのがタワマン文学だというのがどのようなものかはまったく知らない。
少し逡巡したが電子書籍で購入した。
短編集だが、これがおもしろい。
心の内の本音や、自分にしか分からないだろうという思いが、「その気持ち分かるなあ」と表現されているからだ。
おそらく今も昔もあった感情なのだろうが、昔は共有可能な感情とは認識されてなかったような気がする、だからこそ新鮮なのだ。
最近おもしろい本が無いなと思ってる人はタワマン文学は意外と楽しめるかもしれない、人生のベテランほど新しいジャンルは最初から除外してるかもしれないから。
新しいことへのチャレンジとしてはコスパは悪くない、合わなければやめれば良いだけだから。
上手くはまれば儲けものだ。