2つの要素が密接に関連する時に、車輪に例える事がある。例えば、「現代社会では、民主主義と資本主義が車の両輪のように機能してる」という具合に。
また複数の要素が同時に両立しないような場合に、「これらの要素は互いにトレードオフの関係にある」という言い方をする。
わかりきってることを、すっきりと一言で表現できることばは、使い始めると便利な表現であることが良く分かる。
わかっているのに、ひとことで表現する言葉を持ち合わせてないと、表現することが難しくなる。
そんな、わかっているのに表現しづらいことの1つに出会った。
キッカケは、
初動負荷トレーニング。
イチローが取り入れてるトレーニングで、わかりやすく解説してるのが、
「筋肉はジャマ」と言うイチローがやってる初動負荷トレーニング
自宅でイチロー選手のような体になる方法!(売り込みのサイトだが参考になる)
従来のトレーニングや体育理論の捉え方では、答えが出せてないことに踏み込んでいる。
わかっていることなのに、何故か焦点が当たらなかった事実がある。
人間の筋肉は、どの部位も「伸びる」と「縮む」が同時に存在し、その2つがトレードオフの関係にあるということ。
パフォーマンスを上げようと筋肉を鍛えても、筋肉は発達するが、パフォーマンスが上がるかどうかは、それだけでは決定されないのだ。
イチロー自身にとっては、筋トレは全く良いことが無かったように!
注目したいのは、この筋肉の動きのように、一体となって機能してるようで、個々に目を向けるとトレードオフが成立する関係だ。
上記で例えた、「民主主義と資本主義の関係」が一体であるだけならば車輪の例えは成立するが、筋肉のように、一体ではありそうだが、実は互いにトレードオフの関係だとするならば、見え方が全く変わってくる。
人間の営みには、常に「裏と表」「光と影」が存在することを考えれば、民主主義と資本主義は、実はトレードオフの関係にあるかもしれない。
似たようなことを言ってる人の意見を見てみると、
民主主義と資本主義において、テレビメディアの役割を論じる者がいない。マルクスは資本主義の内包する矛盾は、戦争によって開放されるとし、資本主義を否定したけれど、統制経済で生まれた既得権益をコントロールすることのできなかった社会主義は崩壊し、戦争でしか矛盾を開放できないとした資本主義は、決定的な破壊をもたらす戦争もなく、自由経済を確立した。これは、近代経済学のおける成果だとし、近代経済学が経済の主流のように考えられているが、市場拡大の方法が、武力から宣伝広告に変わったとのだとは考えられないだろうか。
自由は、自由経済が存続するための絶対条件であり、民主主義が勝ち得たものではない。
共産主義と言う強大な敵がいた時代には、資本主義は民主主義を味方にして手を組んだ。しかし共産主義が弱体化し敵でなくなったいま、資本主義は儲けるために民主主義が邪魔になりつつある。だから今度は民主主義を弱体化しようとしている。
「資本主義」の対立軸には、いままで「共産主義」や「社会主義」を想定してきたが、現代においては、それが対立するのは「民主主義」なのである。
資本主義が暴走し、民主主義をジャマにしだしてるようにも見える。
そうやって抑圧され始めた民主主義が反発を始めだしたようにも見える。
2016年に起きた、イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ大統領誕生における民主主義は、ポピュリズムと呼ばれている。
ポピュリズムって民主主義と何が違う? 知っておくべき「5つの事」
しかし、民主主義と資本主義が一体であるならば、片方が伸びる時、片方は縮む、伸びた後は縮むことしか出来ない、縮み始めれば片方が伸び始める。
この繰り返しだ。
同時に伸びることは出来ないという意味では、トレードオフの関係だが、そもそも一体であり敵対関係ではないと捉えられないだろうか?
最も縮んでもゼロになるわけではないし、伸びても限界がある。
伸び縮みの繰り返しが、全体をゆっくり大きくするのではないだろうか。
もっと大切なことは、大きくなることよりも、無理なくパフォーマンスを発揮でき、かつ持続可能であることではないだろうか。
大きく盛り上がった力こぶのような「資本主義」は、もはや縮む方向にしか動けないのではないだろうか?