IoT(Internet of Things)、何でもかんでもデータ化しインターネットで確認できることを意味し、2,3年前からよく聞くようになった言葉だ。
言葉だけが独り歩きし、意外と中身が伴っていないようだが、見えないところで浸透してるかもしれない。
そんなIoTは、末端の現場に多数のセンサーがひっそりと多数配されることで実現する。
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この1年、「IoTにおけるAIサービスという出口のイメージがあるので、どんどんセンサーを追加して足りないログを追加してきた」。一方で、「センサーは付けただけではデータが取れないともリアルに感じた」。センサーの向きや位置を変えることは日常茶飯事。
「行動を分析するのはセンスが必要、エアコンをつけたのは暑いからだと短絡的に考えていては趣味嗜好まで見えてこない」(江川社長)。
現在のところ、配されるセンサーは人間の外側の情報をデータ化するものがほとんどだ。
意外な相性の良さを見せるのは植物を相手にする分野で、農業にも役立つ。
気温や気圧そして湿度に関しては空気だけでなく土中の湿度も計測できると、従来と水やりのタイミングが変わり、その差が生育にダイレクトに影響するレベルになるらしい。
反対に人間相手の場合は、あれも出来るしこれも出来るという提案は多くても、本当に望まれてるものはまだまだ少ない。
人間にとって、知りたいけどなかなか知ることができない情報で重要なものは、外側ではなく内側にある情報だ。
随分昔に流行った本がある、調べてみると2003年で15年前だった。

「体を温める」と病気は必ず治る―クスリをいっさい使わない最善の内臓強化法
- 作者: 石原結實
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2003/03/01
- メディア: 単行本
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この本には少し思い出があり、母が読んでいたのだ、母は近所の方に薦められて読んだらしい。
この本を読んだ母から、「あなたもこの本を読みなさい、そして自分の体温を測りなさい」と言われ、本を渡された。
タイトルからして「フ〜ン」という感じだったが、先ず体温を測ってみた。
時期は夏で、暑がりの私の体温はきっと高過ぎるくらいの値を示すと思っていたが、35度台だった。
そこそこ体も鍛えてるつもりだったし、多少メタボだったので、体温が低いわけ無いと思っていた。
これは不思議だった、と同時にこの数字が本物なら私は自分の体をコントロールできてないかもしれないと感じた。
測り直してみても値は変わらず、そして本を読み、体温の大事さを知った。
そんな体温の大事さをアスリートの観点からアピールしているのがタレントの武井壮だ。
毎日体温を計りなさい。。トレーニングの前もできればアップ前後に計りなさい。。で体温が何度くらいでどんなメンタルだったか、どの程度のパフォーマンスが出たか、最低限記録しときなさい。。それが1番基本の環境+脳と身体のコンディションを理解する自分自身の疑わないで済むデータだから。。
— 武井壮 (@sosotakei) 2011年11月18日
武井壮流ダイエットの考え方☆笑っていいとも増刊号 2014年2月23日
「お腹が異常に出ちゃってるんですよ。」と言う渡辺直美さんの悩みに対して、
「体温を上げることがまずは一番大事です。」(以下武井壮さん)
「運動したらちょっと体温が上がって暑くなるじゃないですか。体温が上がっている時間を1日に何分取れるかっていう話です。」
「そういう(体温が上がっている)時が多ければ多いほど(カロリーを)使いますし、例えば平熱にしても36℃ちょうどで過ごしている人と、36.3℃で過ごす人では1日で使う(カロリーの)量が全然違いますから。」
「体温が高くなるデータをとっておくんです。なんか汗ばむなって時に、今は何してんだろう?気温とか湿度とかどうだろう?といったデータを集めておくんです。」
「そういう環境に部屋をしてあげるだけでジリジリ痩せていったりするんです。運動するよりは楽だと思います。」
「汗をかいても冷やしてはダメです。汗は体温を下げるために出ているんで、汗が出るのも身体の作用で、それも(汗が出ること自体で)エネルギーを使っているんです。(冷やすことは)身体を使わずに冷えてるから運動にはならないです。」
「僕はご飯は狩りだと思ってます。」
「動物って追っかけて捕まえてやっと食べるわけじゃないですか。僕もダッシュしてから食べるんです。だから動物的な感じの能力が手に入るんです。」
「夜ご飯を食べに行くときも、必ず400メートル以上離れたところに車を止めて(お店まで)走って行くようにしています。」
「ちょっとした運動の積み重ねが大事です。夜も1時間しかトレーニングはやらないです。」
「階段も段を飛ばして走って上がります。運動で一番良いのは股関節を開くことです。太ももと太ももを開くことが凄くよい運動になるんです。一番沢山筋肉を使うんで。」
「ジョギングって足の上に体重が乗っちゃっているからあんまり筋肉を使わないいんです。大股で歩くことが一番運動量が大きくなるんです。」
「大股での速歩きが一番痩せると思います。」
武井壮はアスリートがパフォーマンスを最大化することにも体温が大きく関係すると力説する。
そして、おそらく最適な体温には若干の個人差があるだろうから、細かい単位まで重視し1日に何度も計測することを薦めている。
調子の良し悪しや、記録の良し悪しの背後には体温の変化があると言っている。
健康診断や診察など、その時だけのデータなのに常時その値だと思いこんでしまう。
その先入観が気付かなくさせていることが、われわれの体にはまだまだたくさんあるだろう。
内側よりも外側で普及しているIoT分野で最も目立つのはカメラを活用した監視だ。
防犯やセキュリティと言う面でもはや必要不可欠だが、被写体が自分になることは誰しも嫌だろう。
監視カメラが捉える人々は無防備な姿をさらけ出している。
街にいて、すれ違う人々を直接見ていても、お互いになんとも思わないが、こちらからは見えない相手に見られているといると思うと、何故か恥ずかしくなるし、気持ち悪い。
見えるはずがない心の中を見られたような気持ちになる。
プライバシーの侵害とは、痛くもない腹を探られることだと思い出す。
映像で外から自分の行動を捕捉されると、心のなかまで丸裸にされたように感じるが、実は心の中など見えてないことは当然なのに、勝手に別人格を作り上げることが可能になるような気がする、だからそれは俺ではないと言いたくなる。
監視カメラの設置位置は上になる、上から俯瞰で広角に捉える。
このような捉え方をすると、被写体は観察対象になる。
外側からデータを捉えようとする時、監視カメラの画像を見るように観察しながらデータを扱う。
観察対象にしてしまうと、何が見えていても感情を寄せる相手にならなくなる、そこに良い意味で感情移入できて無ければ、何も見えてないのと同じ結果になる場合が出てくる。
データ化が進み外側ばかり見えてしまい、プライバシーが無くなることの恐ろしさは、相手に対して感情まで無くすことであり、自分の感情を分かってもらえなくなることだ。
「老子」第十四章に「視之不見、聴之不聞」という有名な言葉があるが、知りたい意識がなければ「視ても見えない、聴いても聞こえない」という意味。
情報収集能力とは何か?
テクノロジーの進化は、紀元前の老子が気付いたことを忘れさせ、"勘違い"も進化させる。