独り勝ちが独走状態に見えるGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)にも、不穏当な噂話が出てくるようになってきた。
日本人が知らない「GAFA」包囲網が示す意味 データをめぐる戦いは安全保障問題でもある- 記事詳細|Infoseekニュース https://t.co/Wksx14jUJj ←利益を得た地域に税で還元するのが当然だろう。地方が衰退するのも本社だけで税を払うのが一因。まず利益の捕捉法を検討すべき。
— よたろう (@kyosh813) November 13, 2018
どんな事業も、成長期から衰退期へとあるパターンを辿る。登場と同時に既存経済に活力ある変化をもたらし、やがて様々なデータと期待の間に矛盾が生じ、ブームは終わり、守りの路線を余儀なくされる。
— 山口 慶明@日経新聞キュレーター (@girlmeetsNG) November 6, 2018
GAFAと呼ばれるIT大手も例外ではない。https://t.co/G69HR9bjKu
一般的には業績の推移に対してケチが付けられることがキッカケで取り沙汰されるのが不穏当な噂話だが、GAFAには今でも見習う点があるはずだ。
しかし、そう言う話になると必ず「イノベーション」という切り口で簡単には手が届かないところに根本的な違いがあると結論づけて終わることが多い。
そんなGAFAですら岐路に立っていると噂される今だからこそ次に向かうためにはGAFAが生まれた理由を理解しておくことは重要かもしれない。
そして、その理由はシンプルな点に宿っていたかもという話をしてみたい。
おもしろいグラフがある。
日本からGAFAが生まれなかった根本原因 経営用語の盛衰で見る歴史的変化
このグラフが何を示してるかというと、
グーグルは世界の図書館と提携し、書籍のデジタル化を進めてきた。「Google Books Ngram Viewer」は、その恩恵を無料で利用できるツールだ。1500年以降に出版された本のうち、デジタル化された数百万冊の全文データから、特定の単語の出現頻度を検出することができる。
Google Books Ngram Viewerの検索対象には、日本語文献は含まれておらず、英語文献についても同期間のすべての出版物を網羅しているわけではない。しかし、このデータベースは現時点では世界最大のものであり、言語の使用状況を検討するうえでの有力なツールであることは間違いない。
図表1は、Google Books Ngram Viewerを使い、ビジネス分野の主要単語の使用頻度が歴史的にどのように変化してきたかを検索した結果である。対象期間は1700年以降、2008年までである。
以下は、この記事に書かれていることに私なりの解釈を加えての話。
このグラフには9つのワードがあげられている、多い順番に記すと、
・ビジネス(business)
・市場(market)
・マネジメント(management)
・組織(organization)
・戦略(strategy)
・管理(administration)
・マーケティング(marketing)
・会計(accounting)
・ファイナンス(finance)
この中でビジネス(business)は指し示す範囲が広過ぎるので外し、20世紀から21世紀に向かう中で顕著に上昇したワードが3つある。
市場(market)
マネジメント(management)
戦略(strategy)
そして、減少したワードが2つ、
組織(organization)
管理(administration)
こうやって比較することで改めて気付けることがある。
比較対象になっているワードの中には、日本人が日本語で使う時におそらく区別して使い分けてないであろう似て非なるワードがある。
・マネジメント(management)
・管理(administration)
administrationには、政治的・支配的な管理というニュアンスがある。
日本企業がmanagementと称して行なっていたことの多くはadministrationであった可能性が非常に高い。
・市場(market)
・マーケティング(marketing)
市場(market)を意識するとは『お客』を意識することだが、マーケティングはお客を意識してるようで実は意識してるのは『商品』だ。
日本では、お客ではなく商品を意識する傾向が強過ぎたのではないだろうか。
スティーブ・ジョブズも一目置いていたSONYとAppleは、どこが分かれ目だったのだろうかと考えると、上記の記事の次の話は印象的だ。
しかし日本は、この転換を横目に「ものづくり大国」を標榜していた。結果はどうだったか。携帯型音楽プレイヤーにおける日米の企業間のマーケティング競争が、21世紀の幕開けの時期に勃発する。アップルはiPodで、インターネット経由の音楽利用の新たなスタイルを切り拓いていった。これに対してソニーは、ウォークマンの音質の高さで対抗した。
アップルは市場を飼いならすことに挑み、ソニーは組織のなかで品質を磨くことに注力した。そして軍配はアップルにあがった。今にして思えばこれは、成長企業のあり方の歴史的な転換を象徴するできごとだった。
似て非なるmanagementとadministrationの違いは組織論になるだろうか。
組織のあり方の答えは一つではないのは当然だがGAFAの組織はどのように組まれているのだろうか。
私たちが目にするのは社員が自分のデスク周りを好きなように自由に演出したオフィス環境が紹介されてるもの程度で、決して組織の有り様ではない。
どこまで正しいかは不明だが、イノベーション企業の組織図が載っているツイートがあった。
MSのCEOは、数年前噂になった部門・プロダクト間抗争に対して、策を打ってるとニュース等で聞きますが、同じく実情を知りたいです。。
— Taka🇺🇲シリコンバレーのエンジニア (@engineer_jp_us) January 9, 2019
写真: 数年前に出回ったGAFA+M+Oの組織図。 pic.twitter.com/srbgyMuhJZ
これらの図を見ながら、もう一つ気付くことがある。
managementとadministrationがゴチャゴチャに混ざり合うと組織は機能しないだろうなということだ。
近年相次いで不正が発覚「組織図」で分かる危ない会社 https://t.co/u25ahO6XtZ 日本の企業でリスクマネジメントが機能しない理由を、専門家に聞いている。1つの工場の中に製造部署と検査部署が同居する配置は危ないという。自己監査になってしまい、納期重視の圧力がまかり通ることになると説明した… pic.twitter.com/XrkjdhedNv
— Gnews (@Gnews__) May 13, 2018
日本でイノベーションが起こらないのは、偏ったadministrationと、お客を重視してるつもりで商品重視のマーケティング偏重にあるのではと思え、これこそが日本流ガラパゴスの正体ではと思えてくる。
そしてもっと感じるのは、日本語では明確に区別してない感覚が「違い」を生んでいるという事だ。
日本で、大きな組織に馴染んでいる人の前には、とてつもなく大きなハードルがありそうだ。