コロナのせいで起きている自粛や非常事態宣言は、経済に大きなダメージを与えている。
未来の世界史の教科書には確実に記載される出来事になったようだ。
新型コロナ危機、1930年代の世界恐慌以来の大不況に=IMF https://t.co/5G2kWEVoG9 pic.twitter.com/OE8cboGhvr
— ロイター ビジネス (@ReutersJapanBiz) 2020年4月9日
現代では、人が集まることや移動することが大きな経済要素だったことを改めて痛感する。
コロナ前のビジネスは集客に重きが置かれていて、お客の奪い合いをするのがビジネス競争で、どこかでお客が減ってれば、別のどこかではお客が増えているということが繰り返されていた。
しかし今は、ほぼ全てのところでお客が消えてしまっている。
会社の倒産は好景気でもそれなりに発生するもので、それは人間の体に例えれば新陳代謝のようなもので、老廃物を排出するようなものだが、大前提として食事を取って新しい細胞を作り出せることがある。
視点を足元の日本に戻すと、コロナが日本史に残す影響を見ると。
最近伝わる倒産情報には老廃物の排除の側面はありつつも、新陳代謝が感じられない。
生きている細胞も活動を止めてしまったようになり、老廃物と同じになっている。
【先見えず 「あきらめ倒産」増】https://t.co/RtYUAGP9Hp
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2020年4月8日
東京商工リサーチによると、4月2日までに新型コロナ関連倒産は全国で17件発生。「支援策などを使えば事業を継続できるが、もともと体力が乏しく先が見通せない企業の「あきらめ倒産」が増加」との指摘も。
他にも似たような見出しは多数上がっている。
[調査マンは見た!]新型コロナが映し出した中小企業の生存能力 後藤 賢治 2020年4月7日
「新型コロナウイルス関連倒産」がすでに37件発生、観光・飲食に打撃【帝国データバンク調べ】 4/8(水)
一言で言うと需要が無くなっているのだ。
東京商工リサーチ取締役で情報部長の友田信男さんにお話をうかがいました。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) 2020年4月8日
「中小企業でも、大企業でも、規模に関係なく、とにかく需要がなくなっている。国内でも、海外でも、どこにも需要がない。そのため、先行きが見えないという空気が強まっている。」
前例のない事態です。#サキドリちゃん
需要が無くなったと言うよりも、消えてしまったという印象だろうか?
表面的には全滅に近い印象だが、人々の目には触れにくいビジネスもたくさんあるので、現状の把握には以下のようなばらつきがあるが、ここには緊急事態宣言による影響は加味されてない。
新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年3月) 帝国データバンク
〜〜以下引用〜〜
『マイナスの影響がある』と見込む企業は80.3%。
「既にマイナスの影響がある」が46.5%、
「今後マイナスの影響がある」が33.8%となった。
「影響はない」とする企業は9.0%だった一方で、
『プラスの影響がある』(「既にプラスの影響がある」と「今後プラスの影響がある」の合計)と見込む企業は2.1%にとどまった
〜〜引用ここまで〜〜
これらの動きや流れに、人々が皆巻き込まれているのだ。
国によって対策や対応の違いがあり、明暗を分けているようにも思えるが、俯瞰で見たり、歴史的な観点で見ると、大した違いではないだろう。
売れてる市場の例を一部上げると、
【🐥】ひよこの「パニック買い」急増、社会不安背景か 米https://t.co/n8cNJsg2o6
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2020年4月9日
外出禁止令が出る中、自宅での飼育を思い立つ人や癒やし効果を求める人が増加。中には購入制限が設けられる店もあるとのこと。
〜〜以下引用〜〜
まったく別の業界からも、景気のいい話が聞こえてきた。「思わぬ理由から好況に沸いている」と話すのは、美容整形外科医のCさん。
「大がかりな整形手術になると、『ダウンタイム』という術後の腫れが引く期間を設けないといけません。ですが、いま世間は外出自粛中ですし、外に出るときのマスク着用も不自然ではない。『ダウンタイムがあっても困らない』という理由で、手術希望者が殺到しています」
〜〜引用ここまで〜〜
これらを含めて、マスクや消毒液やトイレットペーパーも特需が起きている消費かもしれないが、それらが景気や経済をリードすることはない。
自粛や制限によって起きているのは自由の剥奪で、奪われて初めて自由を持っていたことを実感してるのだ。
自由は良いことばかりではない、敵対する自由は無用な争いを生みやすい。
皮肉なことに、自由が奪われて皆が被害者になると平等が感じられるようになる。
実態としての格差は大きく付いていても、皆が不満や不安を抱えていると平等に感じられることは不思議だ。
嫌でも価値観が変わるだろう。
パリ在住の辻仁成氏「1か月前と価値観が変わった。人類は元に戻ることが簡単にできない」
日本でも程度には個人差はあっても多くの人が不満を感じてるだろうが、みんなで頑張った結果が不満な場合は、それを受け容れるはずだが、頑張ってるのが自分だけ、苦労してるのは自分だけ、辛い思いをさせられるのは下々の者だけだと感じるならば、保たれていた微妙なバランスは確実に壊れる。
日本人の6割、政府に不満 新型コロナ国際世論調査 2020/4/10
〜〜以下引用〜〜
「自国政府はうまく対処していると思うか」との質問に「思わない」「全く思わない」と答えた日本人は合わせて62%に上った。「とても思う」「思う」は23%にとどまり、回答した29カ国・地域中28位だった。
〜〜引用ここまで〜〜
コロナがキッカケで、一人一人の日本人の心の中に、政治には期待できないという思いが芽生えてることだろう。
今回のコロナ騒動であちこちから『補償、補償』の大合唱が聞こえるようになってるが、この補償を望む気持ちが裏切られているのだ。
補償を望むことの妥当性はさて置き、実現しないことを望むということを卒業するタイミングなのだと感じられる。
補償の反対側に位置する自助という価値観に転じる必要があるのではと感じてる。
自助に限る必要はないが、価値観のリセットを迫られる人が大勢出ざるを得なくなるはずだ。
コロナの前と後では、日本人は大きく変化するかもしれない。