昔から雑誌などではよく見られた手法に取材記事の体を装った広告宣伝というのがある。
芸能人と経営者が対談するようなのが代表的であり古典的。
もちろん広告宣伝だから経営者の側がお金を払っているのだが、ボーッと見てる人には『有名人から取材を受けてすごいね』と見えてしまうのだ。
また、ドラマでお店をロケに使ってあげる、そうすれば広告宣伝効果が凄いからと、そのかわりにスタッフの飲食代を負担してくれと、後に法外な領収書が届けられたりするという話は昭和の後半からバブル景気の頃にはよく聞いたし週刊誌ネタになっていた。
広告宣伝効果があるという人質をチラつかせて身代金や見返りを求めることは業界では日常茶飯事なのだ。
中には、ゆすりたかりに近いものもあるようだ。
マスコミおよび広告代理店から「物を貸せ」というしつこい依頼にお悩みの方。『物品賃貸借契約書が必要です。番組責任者のハンコ貰ってきてね』というと大抵すぐいなくなりますからこの手口ぜひご活用ください。制作会社ではNGだと言えば大抵秒単位で諦めます。特にフジテレビ系は絶対に消えます。
— ktgohan (@ktgohan) 2017年7月11日
需要と供給の関係で供給が多過ぎる分野では、ただ頑張ったり努力するだけでは望む結果が得られないことが多い。
そういう時に、ライバルよりも露出が増えたり、目立つ話題を提供できるならお金を払ってでも欲しいというニーズが成立しやすくなる。
先入観では取材を受けると取材費が貰えると思いがちだが、お金を払ってでも取材を受けたいと望む経営者は多いだろう。
だから経営者は足下を見られる。
経営者よりも、社員さんがメディアから取材されるようにしようよ。
— ヒトガラ号 (サステナビリティ系猫) (@hitogara) 2021年6月27日
もちろん広告宣伝費をメディアに支払うんじゃなくて、メディアが本当に取材したい!と思う実績で。 pic.twitter.com/2iHll3rOPL
今日は営業電話が多い。
— シン・野良社労士/産業カウンセラー省エネタイプ🐾ダイバーシティを作る社労士 (@kuroe_sr) 2021年6月10日
取材したいという電話。
いくら頂けますか?と聞いたら、払うのは私という。
はあ?それは取材じゃないだろ?と悪・即・斬😎
このようなツイートは検索すると他にも出てくる。
最近、テレビも雑誌もYouTubeもSNSも結局中身は広告宣伝が多い。
この辺までだったら然もありなんな見慣れた光景と言えるが、裾野はどんどん拡大中。
「これは詐欺医療である」東大の専門医が潜入調査で確かめた"悪徳クリニック"の許せない手口
詐欺クリニックの手順は大まかに以下のとおりだ。
①多くの書籍を出版して、それを宣伝する。
②来院した患者に「抗がん剤や放射線治療は聞かない」のウソを吹き込む。
③ウソを信じた患者に「これなら治る」とサプリを売る。
④悪化した患者には「今回は効かなくて残念だ」と伝える。
取材や本業の体を装った広告宣伝が世間を侵食してるのだ。
使って良かったものを勧めたいのはごく自然な人情だが、その人情も疑ってかかるくらいがちょうど良いだろう。
広告宣伝は底なし沼だ。
特に、決断を迫るものには要注意だ。