テレビでローカルの報道情報番組を見てると新規オープンまたはオープン後日が浅い個人経営もしくは小資本運営の飲食店を取り上げることが多い、キー局が放送する番組ではチェーン店など大資本もしくは知名度が全国区の有名店を取り上げることが多い。
最近の風潮としてテレビ側が取材の体を演出してるが実際にはお店側がお金を払っての広告宣伝で、そしておそらく店側の依頼でというよりもテレビ側が営業を掛けてのものだ。
次から次に新しい店ができるということは潰れる店も多いことを示すし、空きテナントの様子などを見ると、潰れたり廃業する方が多いとも感じる。
コロナ禍が無かったとしても、飲食店は浮き沈みが激しい業界なので営業を継続できる店はどこも頑張っていると言えるだろう。
バブル景気の頃に、会社に出入りしてる宅配のドライバーと親しくなり話すことが増えた。
当時宅配ドライバーは収入も良く、事業資金稼ぎに期間限定でしゃにむに働くというのは珍しくなく、そのドライバーも2年で1200万貯める計画だと言っていて、自分の場合は実家暮らしだから無理なく実現できると言っていた。
飲食店の経営が目的で、資金を貯めた後は飲食の修行をすると言っていた。
バブル景気で浮かれた時代ではあったが、ちゃんとした計画も持っているようで感心していた。
そしてこんなことも言っていた、人間は食べなきゃ生きられないし一日3食食べるからチャンスが多いと。
私はそのドライバーと親しかったからもちろん応援していたが、同じことを考えるライバルは多いんだろうなとも感じていた。
そういうことも思い出しながら思った話だが、飲食店の経営について思ったわけではない。
自炊、外食、弁当、お惣菜、インスタントや冷凍食品、その他ダイエット目的や筋トレ目的など、また生きるための食事とは別の飲み会やスイーツやデザートやカフェなど様々な飲食の形態はあるが、一人の人間が食べられる量なんて知れている。
そんな一人当たりの食べる量は昭和平成と増え続けただろう、大食い番組が飽きもせず続いているところを見ると、食べる量の二極化も顕著なのだろう。
健康意識の高い人とそうでない人は食べるものもその量も全く違うはず。
その日食べる分だけでなく、加工されて保存される食材や食品もあるので、流通する元となる食材の量の莫大さを考えるとゾッとするほどだ。
最近は、食品の値上げの話題がよく取り上げられるとともに、調達が困難になる食材の話題もよく聞くようになった。
経済に関する指標として対前年比は定番だが、食べる量の対前年比はどうなのだろうかとも思うし、その場合は総量ではなく一人当たりとして興味がある。
それがどういうことであっても対前年比で成長する(=単純に数字を増やす)が目的になると、人の数が増えるか、一人当たりの数字が増えるかしかない。
食に関して成長が行き着く先は肥満でしかないし、それも尋常ではない肥満。
成長期の子供で運動でもしてれば、どんなに食べても変な太り方はしないが、成長期を過ぎた途端に食事が同じならばぶくぶく太り出す。
人類としての成長と、指標として用いられる成長が本質的にまるで違うことを悟った方が良い。
食に関する例えが全てに当てはまるわけではないとしても、対前年比という尺度をもとにした成長という概念は役割を終えたように感じる。