断捨離や片付けをテーマにしたものが単なるブームではなく社会に定着したように感じられる。
そして、どうやらそれは日本だけの現象ではないらしい。
全米に拡散する「こんまり流」の片づけ術に、2019年の時代精神を見た https://t.co/fPHwTRWjoK #最新記事
— WIRED.jp (@wired_jp) January 20, 2019
リンク先の記事には、
2018年がセルフケア全盛の年だったとすれば、2019年は「自己最適化」が最盛期を迎えるかもしれない。話題や流行の拡散マシンであるネットの世界が今年、新年の目標の新たなかたちとして発信しているのは、漠然とした達成不可能な目標ではなく、もっと小さな「微調整」だ。
断定するにはまだ早いが、この自己最適化への傾倒は、時代精神の転換を表しているのかもしれない。2017年が手のつけられないカオスで、2018年がセルフケアによる癒しの年だとすれば、2019年に広く共有されるのは、自己愛というかたちで自らの行動を少し変えてみようとする志向なのだ。
2019年は自己最適化が全盛期を迎えるかもとあるが、2年前にこんな話があった。
自分と全体との間で微調整を繰り返し、全体最適化と自己最適化を目指します。
— Hiihaa(ひーはー) (@Hiihaa1206) March 7, 2017
仏教主義の男子校がバイオリンで教える本質 東京の進学校「芝」の音楽授業 | 名門校の不思議な授業 - 東洋経済オンライン https://t.co/pBM83yVPXY @Toyokeizaiさんから
リンク先の記事には、
ピアノ、リコーダー、ハーモニカなどは、正しく入力すれば決まった音が出力されるようにできている。しかし弦楽器の場合、弦のどこを押さえるか、たった数ミリメートルの違いで音が変わる。狙った音を出すためにどこを押さえればいいのか、授業用のバイオリンには目安としてシールを付けてはあるが、正解はない。
自己最適化というワードはキーワードのようでそうではない。
対になる概念として全体最適化を持ち、この二つをつなぐ言葉としてここでも出てくるのが「微調整」というワードで、これこそがキーワードかもしれない。
もっと遡ると「自己最適化」は、こういう使われ方をしている。
同僚の性質や能力に関心の持てないスタッフは一兵卒としてすら戦力にはならない。自己最適化に邁進して、それを評価してくれってのが一番ダメ→ 『本田、内田、宇佐美に共通する仕事場の習慣 -「自己主張が強い」だけでは一流になれない』 http://t.co/barivrt2 【東洋経済】
— KCMT@JETSET✈ (@JETSET_CEO) January 31, 2013
ここでは、自己最適化というワードはダメなこととして使われている。
この頃(2013年)は、サッカーに限った話かもしれないが、全体最適化の方が優先されていたようだと分かる。
しかし、キーワードはやっぱり「微調整」なのだ。
リンク先の記事にはこういうことばが出ている。
人間観察にはどんなメリットがあるのか? 本田はこう説明する。
「自分は相手によって、コミュニケーションの取り方を変えている。そのためには、相手にこう言ったらどうなるのか、っていうことが全部わかっていないと。だから普段の生活から見ている」
話を「こんまり」に戻すと、
こんまり、たぶん数十億円くらい稼いでいるに違いないな(笑) https://t.co/qyXZFxVTKf
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) January 22, 2019
ところで「捨てるブーム」に関連する精神疾患として「脅迫的ホーディング」の問題があります。 pic.twitter.com/pAct8rVtTx
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) January 22, 2019
「脅迫的ホーディング」という初めて聞くことばが出てきた。
強迫的ホーディング(きょうはくてきホーディング、Compulsive hoarding)、ホーディング障害(ホーディングしょうがい、hoarding disorder)とは、居住空間において大量の物品を度を越して蒐集することを止められず、それにより著しい苦痛・不全を起こしているという行動パターンである。
これって日本人にとっては、ゴミ屋敷の主の心理だと言った方がピンとくるかもしれない。
【知らず知らずのうちに陥ってしまう心の病「セルフネグレクト(自己放任)」】 https://t.co/KWdjBR4X6C 「ゴミ屋敷」「汚部屋」「もったいないが口癖」「片付けられない症候群」といった言葉..
— tenki.jp (@tenkijp) April 30, 2018
自己最適化できない人が全体最適化に向かわずに、自己放任に向かってしまうことが原因で、「片付けられない」という現代病が起きていると言えそうだ。
ところで、わたしには、この片付けられない症候群の日米の違いを考えていると、食べ過ぎが原因の肥満も共通点があるような気がしてくる。
アメリカ人の肥満に比べると、日本人の肥満は軽度なものに思えてくる。
「片付けられない」にも当てはまっているだろうか?
メルカリに代表される転売市場を「片付けられない」モノの処分市と捉える見方もあるようだ。
たぶんこんまりとメルカリUSAとの間には親和性は無いです。なぜならこんまりが主張していることは「one go」、つまり「一気に」処分してしまうことであり、手間のかかるメルカリなどやっている暇は無いから。 https://t.co/gQyNEjk6Sf
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) January 22, 2019
肥満と同じで、「片付けられない」に関しても日本は症状が軽いので「一気に」のニーズが弱いから転売市場が成立するのかもしれないとも思える。
一般的には転売市場は、不用品を断捨離したい人と必要だけど安く上げたい人のマッチングで成り立っていると思われてるが、実際には「脅迫的ホーディング」を患ってる人が集まっているのかもしれない。
だとすると、表からは見えないだけで、日本にはゴミ屋敷が増えているはずだ。
このように考えていると、レンタル倉庫やトランクルームが増えたのも必然だという気がする。
これらは、駐車場にしても収益が見込めない土地の活用法として生まれたが、収納が少ないマンション住民のニーズと合致したと言われていたが、それだけではなかったのだろう。
大量生産、大量消費という文化の行き詰まりでもありそうだ。
2019年の自己最適化は、片付けから始まる!