平成8年に環境省が残したい日本の音風景の百選を選定すると打ち出した。
サイトを見れば分かるが、これは大気環境・自動車対策として打ち出された企画。
NHKには音の風景という音に焦点を当てた番組があり、1985年から続いている。
地味な企画であり番組なのだが、一周回って新しいとも言える。
さて、当たり前の話だが、音は耳で聞くものだが、現場で生の音を直接聞くのと、現場で録音された音を別の場所で再生しながら聞く場合の二通りがある。
録音のされ方や再生の仕方でも音は大きく印象を変える。
頭で考えると、現場の生の音の方が録音されたものよりも質的に上だと思いがちだが、実際に聞き比べると必ずしもそうでもないことが分かる。
音楽のライブとCDやレコードとの比較でも同じことが言えるだろう。
一般的に積極的に聞こうとする音楽のような音と違い、それ自体を目的にすることが少ない音に自然音とか環境音がある。
脇役でありBGMのような存在の自然音や環境音がドラマや映画の盛り上げに一役買っていることは多い。
なぜ脇役の音が盛り上げに一役買ったかというと、理屈ではない部分に響いたからのはず。
理屈ではないのだから、自覚を伴ってないことも多いはず。
そんな音は、心地いい音だったはずだ、ただしその心地よさは千差万別だろう。
ストレス社会の現代に不足してるのがリラックス。
ストレスが強いと交感神経が活発になり血圧だって上がり気味になる。
現代人の高血圧は食事や運動不足以外にストレスに起因してるものも多いのだ。
心地いい音にはリラックス効果がある。
そんなリラックス効果は、1/fゆらぎと説明されることも多い。
物理学者の武者利光による研究で、自然界の1/fゆらぎ音を聴くと脳内がα波の状態になり、人間の生体にリラクゼーション効果をもたらすと発表されている
実は最近自然音の録音に少々ハマっている。
ちゃんとしたPCMレコーダーを持っていたので使わないともったいなと始めたのだが、これが楽しいことを再認識している。
何も特別な音を狙っているわけではなく、録音してる姿が変質者に誤解されなければ場所はどこでも構わない。
夜、寝る前に聞いていると妙に心地いいのだ、前述したように録る音にこだわりはないので興味がなければ雑音に感じるような音かもしれない。
聞いてると自然に目を瞑るのだ、そして気がつくとうとうとしたり、寝てしまっているのだ。
ああ、これがリラックスってことかと改めて感じる。
さて、そんな自然音だが録音する場合の大敵が風。
耳で聞いてる風のようには録れないので、対策しないと1/fゆらぎには程遠いノイズにしかならないのだ。
この対策の試行錯誤も楽しみを高める要素の一つになっている。
費用をかけずに、すでに持っているもので工夫することも、音に満足できた時のリラックス効果を高めてるように感じられる。
目を瞑って音に聞き入ってリラックスしてる時にふと気付いたのが、『映像は無くても構わないな』ということだった。
映像を見ながら音を楽しんでる時は、映像に引っ張られて交感神経が優位になりきっと興奮しリラックスから遠ざかるんだろうなと思えた。
リラックスを求めてるならば、目を瞑って1/fゆらぎを楽しむということを選択肢に加えると良いかもしれない。