GoToトラベルが一斉に一時停止で、旅行観光業界が悲鳴をあげているらしい。
GoToトラベル全国一律停止の決定で、旅行業界からは悲鳴の声が相次いでいます。市場の損失は最悪6000億円規模ともいわれ、書き入れ時のアテが外れた事業者にとって、「苦肉の策」もささやかれています。 https://t.co/PHK4eZVlD4 #日刊ゲンダイDIGITAL #スガ政権に殺される
— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2020年12月16日
外出の自粛や営業の自粛が直接的に求められてるわけでもないが、予約のキャンセルが続出してるかららしい。
旅行をしたい人がGoToを利用する気持ちはよく理解できるが、一旦旅行する気になっていたのに割引が利かなくなると予約をキャンセルするということは、旅行自体が第一の目的ではなかったということだろうか?、などとさまざまな疑問が湧いてくる。
私はこれまで利用してないし、今のところ予定もないので、自分に関係ないと思っていたので実の所あまり理解もしていない。
そこで少しGoToとは何だったのかを検索しながら振り返ってみた。
振り返って分かったのは、本来の主旨は、訪日外国人によるインバウンド観光需要が失われたことに対して、日本人による国内旅行で旅行観光業界に補填ができればと考えてのもので、その動機付けのための割引キャンペーンがGoToだったのだ。
あまり実感はなかったが、コロナ前の日本の旅行観光業界は訪日外国人に依存していたのだ。
このことを改めて理解すると、国や東京都がなぜオリンピック開催に拘るかがわかるような気がする。
バブル景気が崩壊してもバブルを追いかける人が消えないのと同じ構造なのだ。
つまり、従来の国内観光旅行客の呼び戻しを狙ったのではなく、従来とは違う国内観光旅行セグメントを作りたかったのだ。
GoToを使っての旅行では、普通だったら使わない(=使えない)クラスの高級ホテルへの予約が増えていると話題になっていたが、これこそがインバウンド客の穴埋めという狙いだったのだろう。
ターゲットは、日々節約しながら生きてるような人々ではないのだ。
当初スタートのGoToトラベルでは、割引は個人が還付申請することで個人に還付されるものだった。
ニュース等で騒ぎになったという記憶はないが、手続きをしても一向に還付されないという不満の声は少なくなかったようだ。
当初は旅行後の事後申請だったGoToは旅行申込時にGoToの申請も同時にできるようになったが、面倒なことには変わりがなく、手続きにうんざりする人が多かったようだ。
その後、旅行会社や宿泊施設の側が手続きをする側に変わり、利用者は割引されたプランを選択するだけでよくなって、手続きとしては使いやすくなったが、その代わりに予約を全て自分で行った場合には割引の適用を受けられないという不都合はあるので、何でも自分でする旅慣れた人にとっては全く意味のないキャンペーンなのだ。
あくまでも旅行観光業界を助けるものであって、利用者は二の次だと分かる。
最新の観光庁の数字として次のようにあった。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001375509.pdf
延べ人数では国民の半数近くが使ったかのようなGoToトラベルだが、実際には特定のリピーターによる連泊が大半だと言われている。
GoToは、上手に活用すれば従来だったら手が出なかった高級な宿泊施設の利用を可能にして、ユーザー側には良いだろうが、宿泊施設側にとっては一時的にはそのことが経営の助けにはなってるようだが、施設の現場からはGoTo利用者が従来の客層と違うため、元々の常連客が離れているという声も上がっているらしい。
GoToで潤ったかに見えた界隈では、もしかしたら大事なものを失っている最中かもしれない。
このように考えると、地球温暖化や環境破壊と共通する、良かれと思ってやったことで自分が窮地に追い込まれるということがありそうな気がしてくる。