違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

天上天下唯我独尊!

一般的に、人が人を認識する場合は顔が手がかりの中心になるはず。

 

顔というよりも、髪型や体型もセットとしての外見と言ったほうが相応しいかもしれない。

 

最近では、人を認識認証するためのシステムも充実し、その方法も多岐にわたっている。

 

自分の意思で変えることが出来ないとされる顔や指紋やDNAを認証の手がかりにすることは一般的に広く知られているし、その他に意思で簡単に変えられそうだが実は簡単には変えられないとされるものに歩き方や筆跡があることも広く知られている。

 

これらの特徴は占いなどでも手がかりにされるという意味では、その歴史は長いと言えるだろう。

 

ある程度以上の年齢になれば、認証、認識という意味では、人間というのはそうそう簡単には変わらないということは誰もが感じていることだろう。

 

しかし、視点を変えて、人間を構成する細胞レベルに目を向けると、新陳代謝という不思議な現象がある。

 

 

 

  • 胃腸の細胞は約5日周期
  • 心臓は約22日周期
  • 肌の細胞は約28日周期
  • 筋肉や肝臓などは約2ヶ月間の周期
  • 骨の細胞は約3ヶ月周期

 

細胞の新陳代謝が正常であれば身体は3ヶ月で新しく生まれ変わる。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/新陳代謝

 

 

 

 

舌の味を感じる細胞である味蕾の新陳代謝には約10日かかると言われてる。

 

つまり、10日で舌は別物になるのだ。

 

ダイエットや健康のために薄味にしたり塩分を減らすということは10日我慢すればその味に慣れて受け入れられるのだ。

 

 

認証というレベルでは人間は変わらないと位置付けられるが、新陳代謝レベルでは日々変わっている。

 

一般的に老化や加齢のせいとされることの多くは、新陳代謝のプロセスの中で起きていて、しかも新陳代謝の再現レベルの低下とあいまっているのだろうと思うと納得できる。

 

 

寿命の限界点として心拍数の累計総数(哺乳類では20億回)を上げる説もあるが、新陳代謝や細胞分裂には限界点があるとする説もある。

 

その限界に達することが寿命で、だとすると極めて個人差が大きいはずだ。

 

長寿の人には痩せ型が多いのは、細胞分裂(≒新陳代謝)で消耗する度合いが小さいからだと考えられている。

 

同じ理屈で、ハードなトレーニングを行い肉体改造に余念がないアスリートは、活発な細胞分裂で筋肉を刺激し、それに見合った食事をすることで活発な新陳代謝が起こるが、それが寿命の限界点へ近づけることにもなっている、かもしれないのだ。

 

 

だからだろうか、若い頃の顔つきや体つきの印象と寿命の関係は一致しづらいようにも感じられる。

 

 

顔や体は一人一人違っているのは当たり前なのに、なぜか生き方は他の人と似たようなことを望み、その成否をめぐって一喜一憂する。

 

 

さらに、自分の望む自分になるとは自分を超えることだとすると、認証の世界ではあり得ないのだ。

 

 

新年の始まりに『昨年までの自分を超える』と掲げることはわかりやすいようでわかりにくいのは、本音や真意のすり替えを行なっているからだろう。

 

 

そんなことで悩んだり葛藤することは勿体無いような気がする。

 

 

 

新陳代謝で日々新しくなってるようで、いつの頃からか老化という劣化バージョンで生まれ変わっているのが大人という人種だ。

 

自分は自分で、それより上でも下でもない。

 

そう思ったら思い出されたのがこのことば。

 

 

天上天下唯我独尊。

 

 

いろいろな解釈があり、良い意味で使われないケースもあるようだが、他と比べて上だ下だと一喜一憂せずに自分は自分だという唯一無二だと思えれば、心が穏やかになれそうな気がする。